鬼面仏心

2018年1月1日号

福岡市内13ヵ寺の団体参拝がやってくる。

 福岡市内13ヵ寺の団体参拝がやってくる。しかも、自坊の檀家数に匹敵する人数である。当方はそんな人数をいっぺんに収容できるか不安になるくらいの小さな寺である。あわてて総代世話人会を開いた。コンセプトは「人間力でおもてなし」。参道を挟んで並ぶうちわ太鼓でお出迎え、参詣者のお題目と重なり、「何でウチみたいなお寺へ…」と戸惑っていた檀信徒も「よかったネ。日蓮宗は1つだネ」と大感激! 同信の一体感を味わった▼ハワイ開教100周年の記念団参の時、「モアナルア・ガーデン」に立ち寄った。お目当てはモンキーポッドの樹。日本人には「この木なんの木、気になる木」のCMで有名な「日立の樹」だ。家電からソフト開発まで、日立グループは世界で900社・35万人を抱える。この大樹は幅広い産業を持つ集団に共有できる価値観「みんながあつまる」「なんともふしぎな」「見たことのない花を咲かせる」の象徴なのだ▼福岡市内の団参後、各寺に送る集合写真に「檀信徒と共にある田舎のお寺のあり方をありのままに見ていただけたと存じます。それぞれのお寺が、それぞれの場所で、それぞれのやり方で布教していく。それが宗門ではないでしょうか」とメッセージを添えた▼日蓮宗の象徴は日蓮聖人である。降誕800年までにどのくらい裾野を拡げていけるのか? 平成30年新春に考えた。(雅)

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2017年12月20日号

35歳で世を去った芥川龍之介。今年7月に

 35歳で世を去った芥川龍之介。今年7月に没後90年を迎えた彼の作品に「竜」という短編がある▼奈良に都があった時代、ある男が心のうっぷんを晴らそうと悪戯心を起こして、猿沢の池の畔に高札を立てた。「三月三日この池から竜が昇る」。これを見た人たちの驚く様子をこっそり笑いものにしようというのである▼全くのでたらめであるにも関わらず、人々は驚きの中にもこれを信じて疑わず、瞬く間に噂は広まっていった。そしてついに迎えた三月三日。その日は貴賤を問わず、竜をひと目見ようという人であふれかえった。張本人の男は最初こそほくそ笑んでいたものの、そのうち自分でも大変なことが起こりそうな気がしてきて、いつの間にか周りの人たちと共に熱心に池の面を眺めるようになっていた。そしてなんと本当に竜が天に昇っていったというのである▼うそから出た真という言葉がある。しかし、信じることなくして物事は成就するものではない。誰もが信じることにより悪戯が真の出来事となったのである▼この一年を振り返り、気にかかるのは隣国のことだ。世界情勢を見れば、世界大戦のきっかけにもなりかねないという論者もいる。「竜」の話しではないが、万民が妙法蓮華経を信じ唱えて、争いのない平和な世界、誰もが悦びを享受できる世の中になることを祈るならば、それは必ず真の出来事となるに違いない。(直)

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2017年12月10日号

湯船に漬かり「あー」と叫ぶのは

 湯船に漬かり「あー」と叫ぶのは体が緊張しているとき、「ふー」と声が漏れるのはリラックス状態だということを、ある新聞のコラムに教えられた▼先日、龍神堂でボヤを起こした。雪洞の電球の交換の時、いきなり「バチバチ」と音を発てたかと思うと、コードの2か所から火の手が上がったのだ。漏電である。記憶では雪洞が寄進されてから手つかずなので60年位前のコードだ。コードの表面は少しネバネバしていた。お堂から戻るのが遅いのを心配して来た妻と消火に当たり事なきをえたが、正直驚いた。想像を超えた驚きには声が出ないというは本当だった▼それにしても妻のその時の手際の良さには感心した。普段からそうではあるが慌てず、ことに当っていたのには頼もしささえ感じた▼数日前列車のチケットを買ってもらう時も、筆者のことを考えて、「席は窓側を」「揺れが少ないところを」。「そうそう、隣に人が来ない席と寒くない席を」と、にっこり笑って要望した。これには駅員さんも笑っていたというから、愛すべきおばちゃん力といえようか。以前赤瀬川原平氏が「老人力がつく」ということをいっていたが、「老い」をそのままに受け入れることも、希望をはっきり告げる「おばちゃん力」も、笑いに変える生き方は実に法華経的だといえよう▼今晩のお風呂は「あー」だろうか、「ふー」だろうか。どちらにしてもこのお風呂を入れてくれた人に感謝を忘れまい。(汲)

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今年の1月13日の御年頭会の日も晴天にめぐまれました。

日蓮聖人の新年初の月命日はいつも晴れます。

みなさま今年もお元気でがんばっていきましょう!

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