鬼面仏心

2017年3月10日号

娘と近所の公園に行くと、小学生が野球を

娘と近所の公園に行くと、小学生が野球をして遊んでいた。私たちが砂場に向かうと、近くにいたおじさんが「そこの君たちー! 小さい子が来たから野球はやめなさーい!」と一声。「あ、は~い」小学生たちは野球道具をしまうと、やがて鬼ごっこを始めた▼私はありがたいような、申し訳ないような思いで、小学生とおじさんに会釈をした。それにしてもあまりに自然な声かけに驚いた。その後の小学生の様子を見ても後腐れがない。皆が気持ちよく遊べるように…と、愛情から出た言葉には苛立ちも刺もなく、小学生の心にすっと届いたのだろう▼最近公園に行くと、禁止事項が書かれた看板がやたらと目につく。「自転車乗り入れ禁止」「ボール遊び禁止」などなど。看板からは「皆が楽しく遊んでほしい」というより「この公園で問題をおこさないで…」という悲痛な声が聞こえてくるようだ。あらゆることを禁止にすれば問題は起こらないが、そこに学びはない。いつどうやって遊ぶのか、相手を思いやることや距離感は経験からしか学べない。看板からは学べないのだ▼社会の宝、子どもを育てるのは親だけではない。将来たくさんの花を咲かせるためにも、今こそ愛情を持った種まきをしなければ。周囲を思いやり、慈悲の心をさまの声。私たち一人ひとりが菩薩さまになれることを忘れずに実践していきたい。 (蛙)

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2017年3月1日号

あなたは仏から自分宛のメッセージを

 あなたは仏から自分宛のメッセージを受けとったことがありますか? フランスの哲学者レヴィナスによれば、他者への責任(有責性)を自覚した時に受けとれるというのだが▼27歳新米住職の時、バス停に立つ私の前を1人の尼僧が唱題行脚で通りかかった。合掌する私に「何をしているのか」と問いかけるので「月回向の途中だ」と答えると、「同朋の若い僧侶も全世界で布教と世界平和のために歩いている。あんたは一体何をしているの?」と再び問いかけられた。絶句する私を尻目に、尼僧は通り過ぎて行った。確固たる信念を持てずに僧侶になった私には、尼僧の言葉は重かった▼悩む私に助言してくれた先輩僧がいた。「方便品に『唯仏与仏』という一文がある。真摯に仏と向き合えば、仏の言葉をいただけるからね。あなたがぜひ必要だと招かれて赴任したのなら、そこで華を咲かせた方がいいと思うよ」▼調べてみると日蓮聖人は清澄で7日間の法華三昧行後、立教開宗。親鸞さんも堂籠りのなかで夢告を受けている。仏のメッセージを受けとったのだと考えた私は、3日間の本堂籠りを思い立った。結果、40年近くをこの地で住職として過ごしている。初日から「縁ある人と繋がれ」という指示をいただいたように思う。日蓮聖人の「本より学文し候し事は、(略)恩ある人をもたすけんと思ふ」(『佐渡御勘気鈔』)という言葉を大切にしている。(雅)

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2017年2月20日号

山に入って竹を切り取ってくる。ただそれだけ

山に入って竹を切り取ってくる。ただそれだけのことなのだが、翌日に手や足の筋肉に変調を感じる。指の関節や腕の筋肉痛はノコギリを使ったためで、足腰の痛みは、山の中を歩き回ったためのものだろう。日頃の怠惰な生活ぶりが悔やまれるが、やはり歳には勝てないということなのか▼年寄りの冷や水とか、分相応などという言葉が頭をよぎる。これは自らの力を知って、過信や高望みをしないようにとの警句にもなっている。できもしないことを背伸びしてやっても、却って失敗したり他人に迷惑をかけてしまうということは間々ある▼車に乗り始めたある雪の日、歩いて行きますからと断っている人を、どうせ同じ方向だからどうぞと無理矢理車に乗せたところ、脱輪して倍の時間をかけてしまった苦い経験がある。分をわきまえるということは、大切な人生訓の一つとして今も脳裏にある▼しかしこれとは逆に、持てる者が力に応じて社会貢献することも大切なことである。できることを社会に生かすということは、社会の進歩発展に寄与することであり、社会人としての努めでもある。一切衆生の救済を願う仏の説き給う法華経の精神もまさにここにある▼国際政治の場において、他国の世話まで何故しなくてはならないのか、などの発言が力を持てる国から出てくる現状は、世界の将来を大いに危惧させるものと言わざるを得ない。 (直)

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今年の1月13日の御年頭会の日も晴天にめぐまれました。

日蓮聖人の新年初の月命日はいつも晴れます。

みなさま今年もお元気でがんばっていきましょう!

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