鬼面仏心

2017年5月1日号

境内で騒ぐ子たちがいる。

境内で騒ぐ子たちがいる。あまり騒がしいので窘めるために外に出た。「お前たちはどこの子だ?」すると「仏の子だよ」と切り返された。見れば毎月のお経にいった時に「ウチは保育園じゃないって言っているんですがね。いつも娘が孫を預けていくんですよ」と嘆き節が入る檀家の孫だ。「そうは言ってもお孫さんは可愛いでしょう。仏の子ですからね」と答える私の話を聞いていたに違いない▼昨年12月、スイスのバーゼル大学などが、孫や他人の世話をする高齢者は長生きすると発表した。祖父母を、孫の世話をする・しないのグループに分け、更に孫がいなくても他人の世話をしたグループを加え、調査研究した結果だ▼良好な対人関係が築かれて時に分泌される「オキシトシン」というホルモンをご存知だろうか? 今評判の「幸せホルモン」の一種だという。このホルモンは、ストレスを緩和し、幸せな気分をもたらす。孫を抱く時、ペットに触れる時、この幸せホルモンが出て元気になるのだ。スキンシップで心のバランスを整え、無意識に自分自身の心のケアをしていると考えてもいいだろう▼今年の寒修行に、この檀家さんも参加した。訪れたお宅で20歳も若く見られて喜んでいた。「お題目修行のお陰ね」と聞かれて、私は「そうだ」と答えた。仏の子である孫の世話をすることで、幸せホルモンが出て若返ったのだと私は信じている。(雅)

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2017年4月20日号

「もう一部屋借りることにしたんだ」はるか昔

「もう一部屋借りることにしたんだ」はるか昔、大学院に通っていた頃のことだ。読書好きというより、学問的な興味から古今の文献を買い集めていた先輩がいた。木造の二階部屋に間借りしていたのだが、本の重みに耐えかねて、床がきしみだしたという。大家さんの嘆願により、本を二部屋に分けたというのだ▼後に名ある学者になったこの先輩には及ぶべきもないが、筆者も書籍の量だけでいえばかなり多い。書庫の床が抜けないかと心配する度に、整理=つまるところは処分すべきかと考えるが、容易に実行できないでいる。中には、その時の気分によってほとんど衝動的に買い求めた高価な本もある。しかし実情はといえば、ろくに読みもせずに、いわゆる「積ん読」状態の本が結構な空間を占領している▼ただあえて自慢するならば、多くの本は少なくとも目次だけは目を通しているということだ。全く分野の異なる事柄であっても、ああ、あの本を見ればひょっとして……などということが、雑文を書いたり人前でしゃべったりするものにとっては役立つことがある▼普段何の役にも立たず「積ん読」だけの本でも、こうなれば貴重な資料であり大切な宝だ▼宗教離れがいわれて久しいが、宗教そして信仰が何の役に立つのかという人に申し上げたい。日頃の信仰によって得られる功徳というものは、いざというときの宝なのですよ。 (直)

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2017年4月10日号

「北海道新幹線、開通一周年」

「北海道新幹線、開通一周年」の声がテレビから聞こえてきた。すぐに記憶の窓から顔を出したのが「新車の香り」だ。昨年の3月26日に開通して10日後に乗車する機会をえた。車両に乗り込むと直ぐに鼻を突いてきたのが「新車の香り」だった。新幹線も自動車と同じように新車の香りがするのに驚く。好きな匂いなので、車両の新しさと重なり、気分よく新函館まで旅行が出来た▼自動車の新車の香りは、内装材のプラスチックや接着剤に含まれている有機溶剤の臭いで、シンナーの臭いといってもいいものだ。健康にはあまりいいとはいえない。それが人によっては「いい匂い」と認識され、記憶に起こる▼香りと記憶の関係は「プルースト効果」と呼ばれ、本能的な行動や感情に、香りは直接作用し記憶が蘇ることが起こる。これは五感の中で臭覚だけが持つ特徴だという▼歌舞伎役者の坂東玉三郎さんが、ある雑誌の記者に「舞台ではどんなことに気を付けていますか」と聞かれて、「舞台から立ち去ったあと、何か漂うようなものが残るように心掛けています」と答えていた。その人の残心、残り香といってもいいだろう▼初めて身延山に参拝した、山の清々しい空気と祖師堂のツンとした匂いが忘れられない。自分だけの身延山のニオイだ。初めてお題目を唱えたのはいつだったろうか。心の新車の香りはまだしているだろうか。 (汲)

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今年の1月13日の御年頭会の日も晴天にめぐまれました。

日蓮聖人の新年初の月命日はいつも晴れます。

みなさま今年もお元気でがんばっていきましょう!

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