2023年7月20日号
全国檀信徒協議会総会開く
第70回日蓮宗全国檀信徒協議会総会が6月22日、静岡県静岡市本山海長寺で開催された。全国74管区中45管区の代表者が出席、23管区から委任状が提出され総会が成立した。
議長を務めた池上幸保会長は挨拶で、他宗派にはそれぞれの寺院を護持する全国組織はあっても、宗門を支えるという全国組織があるのは日蓮宗だけと強調した。檀家減少、人口減少という逆風が吹くなか、1つのお寺の枠にとらわれず宗門の興隆を願って「信仰を共にする者が力を合わせていきましょう」と呼びかけた。
議事は令和4年度の活動報告の後、審議事項に移り、前年度の会計・監査報告や今年度予算案、役員改選など議案がすべて承認された。令和5年度の事業計画は11項目があげられ、役員改選では、会長・池上幸保氏、副会長・武田家治氏と奥田智一氏、監事・岡田一弥氏と小銭敏男氏の人事が承認された。また新小冊子『お寺は誰のためにあるの』の作成・発行の進捗状況が報告された。同冊子は菩提寺が単なる葬儀会場ではなく、心にパワーをいただく場所であることを次世代に伝えて、仏神を身近に感じ関心を高めてもらうことを目的に作成される。今秋に発行予定になっている。
書面による活動報告に続き、研修として日蓮宗顧問弁護士の服部功志師の講演が行われた。宗教離れが続くなかでの家庭における信仰の継承のあり方を示し、日蓮宗が長い歳月にわたってつないできたお題目を中心とした信仰の姿を次世代に見せていくことの大切さを伝えた。講演後には活発な質疑応答が行われ、参加者の意識の高さが垣間見られた。総会初参加の檀信徒は「各管区会長の信仰心や菩提寺・宗門への思い入れの深さを知った。管区の会議ではこの総会のことを報告したい」と話した。
総会に先立っては田中恵紳宗務総長を導師に法味が言上された。式中、常任委員を1期務めた清水元喜氏、岡田金助氏、早坂晃氏、齋藤高蔵氏に藤田尚哉伝道部長から感謝状が授与された。常任委員2期以上を務めた神山喜久夫氏には田中総長から感謝状が授与された。
翌23日は活動計画の「祖山・霊跡・由緒寺院・宗門史跡護持顕彰」にのっとり、有志19人が山梨県総本山身延山久遠寺と本山本遠寺を参拝した。
