2023年2月18日
東京北 立正安国世界平和大國祷会
【東京北】台東区今戸 長昌寺で2月18日、立正安国世界平和大國祷会が、本年日蓮宗加行所を成満した8名の行僧と、正観世音菩薩御縁日出仕僧の会「世尊会」の修法師6名、檀信徒の方々多数参列のなか、盛大に行われた。
春を思わせる暖かい陽射しの中、成満した行僧の水行式を、再々行を成満された望月隆健師(神奈川県 顕妙寺住職 以下、望月師)御導師のもとに行われた。その後、同寺観音堂にて望月師を修法導師に、立正安国世界平和大國祷会が厳修された。法要後、まず望月師より謝辞があり、長昌寺にお招き頂いた御礼と「足るを知る、少欲知足という言葉があります。この娑婆世界で今は足るを知る余裕があると思いますが、修行の場では何もかもが足りません。食、衣、睡眠、様々な物が足りないと『我』が出てしまう。その『我』をどのように納めるのかが一つの修行であります。厳しい事態になるとついつい『我』が出て、人に対して自分の『我』を押し通してしまうことがあります。今回修行をするにあたって、『自分自身が修行をして素晴らしい』のではなく、修行をさせて頂くために色々な方々から心や愛を頂き、様々な物に支えられていたからこそ修行に入らせて頂き、修行を『した』のではなく『させて頂いた』、そうして生かされているいうことを痛感致しました。国祷会とは自分だけが幸せでいいというわけではなく、他の者を思いやる、皆で幸せになるという教えです。本日共にお祈りさせて頂いた檀信徒の皆様の御多幸をお祈り申し上げます。」と述べられ、温かい拍手に包まれた。
法要御導師を務められた長昌寺御山主の鈴木海光僧正は「一寸八分正観世音菩薩を御開帳して、本年成満なされたお上人をお迎えしての大國祷会は本年で65年目でございます。多くのご参詣賜り誠にありがとうございます。また本年2月10日に成満された御上人様方おめでとうございます。本日は御法体お疲れの中、当山立正安国平和大国祷会に御出仕賜りまして誠にありがとうございます。
実は当山と大本山中山法華経寺は特別な関係にあります。本堂の右手に小さな芝に石碑が建立されており、石碑の中央に「弘安二年問答跡」と記されておりましてその両脇に『中山 富木日常』と『金龍山 寂海』と記されております。その場所で、法華経寺の日常上人と金龍山浅草寺第三世の寂海法師の法論がございました。寂海法師は日常上人の説く「仏法の神髄は法華経にある」というお話に感服なされて、ただちに身延山に登って日蓮聖人の弟子となり、日寂の名を賜りました。その後、浅草寺全山を日蓮宗に改宗しようと努めたものの叶わず、弘安五年に一寸八分正観世音菩薩を背負ってこの場所に長昌寺を創建なされました。つまり日常上人がいらっしゃらなければ長昌寺はなかったのです。
本日、皆様はそのご縁ある大本山中山法華経寺で大荒行を成満された御上人方と共に立正安国世界平和をお祈りなされた、その意義、功徳は甚大なものでございます。『極楽百年の修行は穢土一日の功に及ばず』とあるように、皆様方が立正安国世界平和の甚大な功徳を積まれて、荒行成満のお上人方の御力を体一杯に頂いた訳でございます。どうかその御力をこの1年間お保ち頂きまして、精進賜りますようお願い申し上げます」と結ばれ、立正安国世界平和大國祷会は無事に円成した。