2022年9月1日
■戦なき仏国土へ
昨年丹精込めて剪定したアジサイが、今までにない大きな花を咲かせた。苦労の甲斐があったと思ったのも束の間、無残にも鹿に折られ、葉っぱもちぎられてしまった。山が荒れて食べる物がなく、里へ出てくるようになった。毒性が強く今まで食べなかった植物まで食べている。目先の空腹に勝てないためだ▼目先の利に惑わされて後で苦しむとはなんと浅はかなと思うが、我々人間にもよくあることだ。というより他の動物には見られない愚行を繰り返すのが人間だ。戦争である。動物は同種では争っても敢えて生命まで取ろうとはしない。しかし人間は違う。戦争は互いに殺し合うことを目的とする。勝っても負けても、亡くなった人は無論家族親族、知人にまで累が及ぶ▼国と国の利害、あるいは宗教上の問題や民族間の感情など、原因は種々あろう。しかしことの是非を問う以前に、戦争は人が人を殺戮する行為であることを思えば、絶対にしてはならないものだ▼暑い夏が来ると、お盆の行事にあわせて、原爆投下・敗戦と、かつて日本を襲った悲惨な出来事が蘇ってくる▼誰もが安心して暮らし、安穏な生活ができる世の中、そんな世界「仏国土」の実現のために宗祖日蓮聖人は生涯をかけられた。後に続く私たち1人ひとりが心するとともに、国のかじ取りをする為政者にその精神をしっかり持ってもらいたい。 (直)