オピニオン
2022年9月1日
季節の試練に耐え
四季の変化のある日本では、季節の中でそれぞれの趣を感じさせてくれます。春風の心地よさは人情だったり、照りつける夏の日射しは生きるための逞しさを、澄んだ秋空は爽やかさを、冬の寒さは生きる厳しさを教えてくれます。
現在は世界的に異常気象が起こっています。今年は梅雨が早々に終わり、猛暑がやってきました。現在は厳しい残暑の中にあります。あまりに極端な季節の変化は我々の心情にも影響を及ぼし、イライラしたり、人間関係がギスギスしたりとよろしくない感情が増します。
日蓮聖人は50歳の時、極寒の佐渡島へ流罪に遭われて、3度の厳しい季節を過ごされました。その渦中において宗教者の自覚を深められ、後に「法華経を信ずる人は冬のごとし。冬は必ず春となる」と『妙一尼御前御消息』で申されました。私たちもいろいろな季節の試練に耐えて、人として心の真価を発揮したいものです。
(大阪府三島布教師会長・萬田信力)