ひとくち説法
2022年8月20日号
エスディージーズ
最近よくSDGsという言葉を耳にします。持続可能な17の開発目標だそうです。簡単に言いますと「世界中にある環境問題、差別、貧困、人権問題を世界中のみんなで2030年までに解決していこうという計画です。持続可能というのは人間の活動が自然環境に悪影響を与えず、その活動を維持するということだそうです。
国、各自治体、いろいろな企業、団体が取り組んでいます。しかし、一般市民の私たちの積極的な参加なしには達成できません。
達成するには、自分だけ良ければいいという考えは捨てて、自分以外のすべての人、生物、環境を尊重するという姿勢が必要なのです。
「法華経常不軽菩薩品」に説かれる、人を敬い、決して軽んじない、不軽菩薩の忍耐と寛容の精神が必要なのです。どんな目標を達成するにも私たち1人ひとりの姿勢、立ち振る舞いが肝心となるのです。
(大阪府和泉布教師会長・足立英修)
2022年8月1日号
守護の善神とは
ロシアによるウクライナ侵攻という現実は世界各国の危機意識を高め、日本においても防衛体制の見直しが一部で論じられるようになった。しかし、武装強化により情勢の均衡を保とうとする行為は双方の疑心暗鬼を増長させ、さらに強い守りを固めることに身をやつす事態を生みかねない。
過去世の業が似通うからこそ、縁あって同じ時代に生まれ合わせた私たち。いま、互いに恐れを除き理解を深めるという克服の時を迎えている。苦境とは一方的に与えられるものでなく、自身の反省と発展の機会と受け止めなければならない。それが仏法を知ることであり、強い守りを得ることになると信じるべきだろう。
仏法の説く守護の善神とは私たちの精神でもあり、その精神が尊ければ価値あるものとして他に敬いを抱かせる。尊敬こそが人を守り、国を守る力だ。日蓮聖人のお言葉には「必ず心の固きによりて神の守りすなわち強し」とある。
(大阪市布教師会長・有本智成)