ひとくち説法
2022年7月20日号
楽に生きるには
生活の中で思い通りにならないことは、大きなことから身近なことまでたくさんあります。いつも元気でいたいけれど、病気になったり体調がすぐれない時があります。仕事が思うように進まず結果が出ない時や、人とのお付き合いで、嫌なことを言われて落ち込んだりも。また現在はコロナ禍で我慢を強いられる生活が続いています。
お釈迦さまは、一切皆苦=世の中はすべて苦しみ、と説かれました。苦しみとは思い通りにならないことです。自分の生活に照らし合わせるとそのことに気づかされます。思い通りにならないことで心がモヤモヤした日をすごすのではなく、思い通りにならないことをあたりまえと捉え、思い通りになったことをありがたいと捉えるとどうでしょうか。今までのモヤモヤしていた気持ちは少しは楽になり、何事も前向きに考えられるようになってきませんか。生活の指針を仏さまの教えに学び、過ごされることをお勧めします。
(京都2部布教師会長・村尾顕慈)
2022年7月1日号
良いフェイク、悪いフェイク
最近、「フェイク」という言葉を耳にすることが増えた。訳せば、模造品や偽物である。
今ではおなじみとなった「カニカマ」は、見た目、味、食感、どれをとってもほぼカニのようだが、材料がかまぼこというだけあって、本物のカニに比べればかなり安価で手に入り、海外にも多くのファンがいて人びとを喜ばせている。
しかし、「フェイクニュース」となれば話が違う。嘘やデマ、陰謀論やプロパガンダ、誤情報や偽情報など、これらの情報が様々な形で拡散して現実世界に大きな負の影響をもたらしている。私たちに入ってくる情報はテレビ、ラジオ、新聞、インターネット、時には近所のうわさ話などからだが、それらの情報が本当に正しいものなのか、注意を払わなければならない。情報の発信元は信頼できるのか、発信日時はいつか、他の情報と比較してどうかを自身で見極めなければならない。妄語(うそ)と両舌(二枚舌)は、人を不幸にする。