日蓮宗新聞

2022年5月20日号

旭が森スロープ完成奉告式

旭が森①千葉県鴨川市大本山清澄寺で4月27日、旭が森スロープ完成奉告式が菅野日彰管長猊下(同寺住職)を大導師に営まれた。今年は旭が森山頂の日蓮聖人像が大正12年(1923)に建立されてから100年の節目を迎えるため、記念事業として聖人像の色揚げ塗装や旭が森境内整備が行われた。
旭が森の日蓮聖人像建立の発端は100年以上前の清澄寺がまだ真言宗だった時まで遡る。当時の日蓮宗管長・河合日辰上人が霊夢により、清澄寺での銅像建立を発願し、玉瀧義秀清澄寺貫首(当時)に相談したところ、ともに浄業を達成することを誓い合った。身延山久遠寺や池上本門寺をはじめとする本山や篤信徒の協力を得て大正11年に着工し、翌年8月30日に完成した。
旭が森② また旭が森へは南側の階段のほか、北側のつづら折り階段があったが、平成25年10月に発生した台風26号の影響でつづら折り階段側の崖が崩落し、通行止めになっていた。さらに同台風により麓にある練行堂の水屋の倒壊被害もあった。今回、旭が森境内2期環境整備として、つづら折り階段をスロープに変更したほか擁壁の設置、山頂の舗装が行われた。この工事により、旭が森に容易に登れるようになったため、多くの人が日蓮聖人が立教開宗で見られた景色と同じ視点を共有できるようにもなった。
旭が森③ 式ではまず菅野猊下や田中恵紳宗務総長、金子日厚清澄寺別当らのテープカットの後、スロープ渡り初めが行われた。銅像建立により機運が高まり、昭和24年の清澄寺の日蓮宗への改宗時には参拝者の列が何キロも連ねたといわれ、菅野猊下が先導された渡り初めでは整備の寄進者らの列が頂上まで続き、当時を彷彿させる様子を見せた。法要では修法師が祈祷をするなか、化粧直しされた日蓮聖人像の除幕が行われ、100年前と変わらない美しい姿を現した。菅野猊下は参列者とともに『開目抄』の一節、「我れ日本の柱とならん。我れ日本の眼目とならん。我れ日本の大船とならん」の三大誓願を自らの胸に刻まれるようにお読みになられた。
参列した檀信徒の1人は「大きな節目となる今回の式に呼んでいただき、ありがたく思います。きれいになった日蓮聖人のお姿を目に焼き付けて帰ります」と話した。

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2022年5月10日号

横浜市妙法寺が「地獄」制作?

おまえはどう生きてきたんだ? VR用いて生き方問う

地獄VR編集部宛に電話が鳴る。相手は開口一番こう言った。
「地獄に堕ちませんか?」。
もちろん堕ちたくないが、何か悪いことをしたかと最近の行いを走馬灯のように一瞬で振り返っている自分がいた。電話口の相手は横浜市妙法寺住職の久住謙昭師。『エイジング・ノート』や仏教マンガの制作などさまざまな活動をする久住師のことだから、また何か企て(制作し)たことは間違いない。「行きまーす! …いや、堕ちまーす!」と地獄に堕とされるにしては軽いノリで堕ちに行くことにした。
今回、久住師が理事長を務める社団法人・みんなの仏教が映像制作会社・百人組の協力で作り出したのは「地獄VR」。簡単に言えばバーチャル・リアリティの技術を使い、ヘッドセットを装着することによってあたかも自分が地獄にいるかのような体験ができるというものだ。その第1回となる体験会が4月23日にあるということで妙法寺まででかけてきた。
妙法寺に到着すると三角巾と装束をまとった女性が受け付けてくれた。これから死後の旅に出るのかと思うと緊張するどころか、ほっこりとする。だって彼女が温かく迎えてくれるんだもの。しかし本堂ですでに待っていた参加者は緊張の面持ちで、地獄に堕ちるのを待っていた。
開始時刻となり、久住師が地獄への案内人として登場した。地獄は八大地獄という8つの種類の地獄があることを紹介する。その鬼たちから受ける責め苦のむごたらしいことといったら…。地獄のやつらの性格の悪さに舌を巻くが、人間の本性がそこにあるような気もした。そしていよいよ地獄への旅(?)へ。三角巾がつけられた(細かな演出がにくい)VR用のゴーグルを装着し、(死後の)旅が始まった。映像は暗い世界を映し出す。暗闇の向こうには不気味な灯りがみえる。360度見渡せるVRなので思わず顔をいろいろな方向に向け、キョロキョロしてしまう。「向こうに見える青い炎は何なんだろう?」などと考えていると、「ああぼくは今、舟に乗って向こう岸に行くんだな。そうか、これは三途の川なんだ」とVRに没入している自分に気づく。岸の向こうにたどり着くと見上げるほど大きな閻魔大王を前にして足がすくむ。そして閻魔がこう聞く。
「お前はどう生きてきたんだ?」。
地獄のほか、修羅界、畜生界、餓鬼界(映像は決しておどろおどろしくないのだが、やはり没入感のゆえにリアリティがある)を旅した後にVRが終わると久住師が再び地獄とは何かを話し始める。最後にわかりやすい「法華懺法」、つまり「自分の罪・行いを省みて懺悔する」法要が営まれた。

この地獄VRを発案した久住師は「参考にしたのは『涅槃図』を見ながらその世界を説明する絵解き。同じように言葉、空間、芸術を通して教えや世界観を伝えてきたのが仏教。仏教の歴史は伝道の歴史でもあります。今回のVRもその延長で、技術は新しいですが、形が変わっただけで特別なことではありません」と語る。制作を担当したみんなの仏教・プロデューサーの安田ひとみさんは「エンタメ要素はあくまで入口。出口にはちゃんと気づきが生まれるようにしたかった。浮かれていないか、ずれていないかは、ものを作る上で常に意識しています」と話す。たしかに映像中の「むさぼり」の演出なども繊細にこだわり抜いて表現されているが、セリフには現代の私たちにその意味をきちんと落とし込み、生き方を問うてくる内容だ。またVRだけではなく、法話・法要が一連の流れに組み込まれることにより、学びや気付きの時間となっている。それは仏教の本来の姿でもある。
参加者の1人は「映像として体感し、また住職の話を聞くことによって文字を読むだけで知る世界とは全く別のアプローチですんなりと理解ができました。リアルな体験は自分の普段の生活を見つめ直す機会になりました」と話してくれた。
妙法寺の玄関を出るとき、「私はどう生きるのか」と問う自分がいた。「どう生きてきたか」という問いに臆することなく「私はこう生きてきた」と言えるように。もっともVRで地獄を体験し、素直に「あんな暗い地獄の世界に2度と堕ちたくない」とも思ったことはいうまでもない。
今後、6月12日、7月24日に体験会がある。詳細はhttp://jigoku-vr.comまで。また全国にVRの貸出も行う予定。問い合わせは妙法寺(☎045・811・0256)まで。

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日蓮宗あんのん基金からUNHCRへ

ロシア連邦のウクライナ領域内への侵攻によって出ている多くの難民を支援するため、日蓮宗は日蓮宗あんのん基金から特定非営利活動法人・国連UNHCR協会に100万円を拠出することを4月7日に開かれた同基金会議で決定した。同協会は支援活動を行う国連の難民支援機関UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の日本の公式窓口。
UNHCRは、ウクライナ国内外に避難を強いられている人びとへの支援活動を展開している。ウクライナ国内では保護と安全な環境や、救援物資の提供などを継続的に行うほか、難民を受け入れるポーランド、ハンガリーなどの近隣諸国では緊急支援物資の支給などで保護活動を続けている。UNHCRの4月6日の発表によると、ウクライナの国外難民は430万人を超えた。日本で受け入れた同国の難民は、4月17日の時点で661人にのぼる。
日蓮宗は、田中恵紳宗務総長名で侵攻が始まった翌日の2月25日に声明文を発信し、あらゆる戦争行為に反対する意志を示し、平和的対話による即時終結を要請した。それに続き、ウクライナ難民へのすみやかな救済支援が必要と判断し、拠出を決めた。
日蓮宗あんのん基金は、全国の日蓮宗寺院や檀信徒などから寄せられた浄財をもとに、社会活動・地域貢献・国際協力を行う団体などを支援する制度。他者の幸せを願う慈悲の精神にのっとって、戦争・天災・貧困・環境などの諸問題に取り組んでいる世界中の団体に、民族・宗教・文化の違いを超えて支援する。そして明るい社会を育て、人びとの笑顔を増やしていくことを基金の目的としている。【振込先(郵便振込)】口座番号:00140―4―378115/口座名義:日蓮宗あんのん基金

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