オピニオン
2022年4月10日
智慧の菩薩から
智慧(知恵)をつかさどる菩薩や神は多い。法華経で菩薩たちのリーダーである文殊菩薩もそのひとり。「3人寄れば文殊の知恵」ということわざがあるが、これはどちらかというと〝ひらめき〟の知恵であろうか。
若き日の日蓮聖人が「日本第一の智者となしたまえ」と祈りをささげられたのは虚空蔵菩薩である。聖人は宝珠を授かり、すべての仏教聖典の内容を知ることができたと述べられている。虚空蔵菩薩は〝記憶力〟を増大させる菩薩として信仰を集め、親しまれてきた。
ふたりの菩薩のお名前を挙げて恐れ多いのだが、〝ひらめき〟も〝記憶力〟も自信がない。アラフィフの脳は思うように働かない。人は覚えては忘れをくり返し、試行錯誤を重ねて生きていく。それでも、毎日唱える「法門無尽誓願知」(仏の教えは広く深いものであるが、学び修めることを誓願します)の心だけは持ち続けたい。