2022年2月10日号
日蓮聖人降誕800年ハワイ慶讃法要
米国ハワイ州ホノルル市のハワイ日蓮宗別院で1月23日に「米国ハワイ国際布教拠点記念大会・日蓮聖人降誕800年慶讃法要」が営まれた。同大会は数年前から計画され、ハワイ各島5布教拠点のメンバー(信徒)をはじめ、日本からの僧侶檀信徒の参列、北米の国際布教師の出仕などで盛大に営まれる予定だったが、新型コロナウイルスの発生や現在のオミクロン株の流行により規模が縮小され、主にオンライン配信での参列となった。また菅野日彰管長猊下を大導師とする法要は、12月23日に東京都大本山池上本門寺でこの日のために収録されたものが映像で流された。菅野猊下の渡布は叶わなかったが、現地とオンラインの参列者は時間と空間を超えて一体となり、日蓮聖人のご降誕から800年を祝った。
法要の配信開始にあたり別院の金井勝海主任がインターネットを使用した法要について説明し、「菅野管長猊下とともに世界中の人たちの平穏・安心・幸せのためにお題目を唱えましょう」と呼びかけた。続いてハワイの各布教拠点メンバーのメッセージが流れた。ホノルル妙法寺理事長のダニエル・リウ氏は「ハワイのお題目の歴史はまだ100年ほど。800年を迎えたこの機にハワイの人たちがこの教えに共感し、広がっていくことを願っています」と述べ、プウネネ教会(マウイ島)副理事長のダイアン・オオムラ氏は「一堂に集まれないことは残念ですが、この800年は聖人誕生の奇跡や偉大な曼荼羅の創造、教えを弘めたことによる法難を振り返るための大事な機会です」と800年が自分たちにとって大きな意味があることを話した。
続いて田中恵紳宗務総長が映し出され、「全世界の僧侶檀信徒の異体同心の力が祖願達成への道を照らす大灯明となります」と篤い信仰に敬意を表した。
法要では菅野猊下の入堂に合わせて、ハワイで布教活動をする金井師と山村尚正師も行列し着座。別院に集まったオアフ島のメンバー約20人とともに妙法蓮華経とお題目を唱えた。また式中には将来ハワイの布教を担う沙弥やメンバーの少年が日蓮聖人へのお祝いの華を捧げた。
菅野猊下は慶讃文で「コロナの蔓延により生老病死の苦しみがますます充満せり。800年を迎え、宗祖の誓願を受け継ぎ実現することを我らの使命とする」と読み上げられた。またご挨拶に立たれた菅野猊下は20年前のハワイ開教100年記念の法要への参加や6年前に別院で3日間、メンバーと唱題行を行った思い出から、3度目の渡布が叶わなかったことを残念がられたが、それだけに今回撮影された法要への思いが深かったことを伝えられた。そして「私たちの法華経・お題目の信仰の力によって安らぎの世界に改めていきましょう」と呼びかけられた。