2021年12月10日号
京浜教区記念大会開く
京浜教区(茂田井教洵教区長=大会長)は11月27日、日蓮聖人降誕800年慶讃の教区記念大会として、菅野日彰管長猊下を大導師に迎え記念法要を東京都大本山池上本門寺(貫首=菅野猊下)で営んだ。記念大会は、昨年9月に迎えた龍口法難750年に合わせて開かれる予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け延期となったほか、準備期間中にさらに感染が広がっていたため、大会内容の変更も余儀なくされた。最終的には、インターネットでのリアルタイム配信となり、僧侶は教区内本山貫首や宗会議員代表者らのみ、檀信徒は池上幸保全国檀信徒協議会長(池上本門寺総代)のみの参列となった。
茂田井教区長が開会にあたり今大会の経緯を説明し、「私たちの願いは日蓮聖人に報恩の誠を捧げることにあります」と開催が叶ったことに謝意を表した。続いて参列した中川法政宗務総長は「お題目での人びとの救済は、日蓮聖人のご降誕によってその火が灯されました。精神を受け継ぐ我々が世界にその灯火を広げていかなければなりません」と挨拶した。
法要は橘・池上両雅楽会による調べが鳴り響くなか菅野猊下や副導師の神奈川県第1部選出宗会議員の柳下俊明宗会議長、教区内7管区の宗務所長らが入堂し、開始。声明を捧げた後、菅野猊下も散華供養され、ご降誕を寿ぐとともに報恩を示された。自我偈の読経中には、得度・度牒した教区内の宗門子弟がご宝前に献華し、日蓮聖人のように立正安国を目指す僧侶の道を歩むことを誓った。
菅野猊下は慶讃文で、ご降誕の瞬間を克明に描写され、800年前に思いを馳せられた。また御経頂戴で参列者とともに法華経受持を誓われた後、「この度、お迎えした800年は単なるお誕生日のお祝いではありません。世の人びとを法華経の教えで救いたいという日蓮聖人の誓願を、僧侶檀信徒1人ひとりが自らの誓いであると受け止め、世界規模の災害や戦争などをはじめとする人びとの心の乱れを安らぎの心に生まれ変わらせる決意と実行を覚悟する時なのです」と日蓮宗徒の目的・目標の再認識を促された。
東京南部宗務所長の長亮行実行委員長の謝辞に続き、池上会長が「コロナ禍という大変なときでも、お題目の教えは心を正しい方向に導いてくれます。次世代にもこの教えを必ず伝えていかなければなりません」と挨拶で締めくくった。