オピニオン
2021年11月20日
人の真価、名声とは…
多くの人が、周りから良く見られたいと思っています。そのために、なかには自身を良く見せようと虚栄心を張る人もいます。さらに富や地位を得ると名声を欲して「自分は特別だ」と高慢心を抱き、終いには謙虚さを失う人もいます。
日蓮聖人は『爾前二乗菩薩不作仏事』で、人には5種類の過失があり、その2番目に「高慢心」を取りあげ「うぬぼれ」の心を抱いてはいけないとご教示されています。
外見だけを磨き内面を疎かにする人は「仏作って魂入れず」です。また独善的にごり押しされた事業は「自己顕示欲」に過ぎません。
人の真価は、地位や財産が作るものではありません。高慢心を抱かず、謙虚さを忘れず、真摯な態度でお題目修行に励んで心身を磨き、共栄に向けた所為に依って、人びとから得た信頼と感謝、そして尊敬・賞賛という名声。そこに人の真価が示されると思います。
(山梨県1部布教師会長・町田英昭)