オピニオン
2021年8月1日
嘆かず、諦めず
新型コロナウイルスが発生してから1年半以上が経過し、感染しない・拡散させない、自身のみならず、大事な家族や友人、縁ある人びとの命を守るために緊急事態宣言やまん延防止措置が発令されました。が、しかし、未だに収束の兆しが見えず、予断を許さない状況が続くなか、嘆きや諦めの声を聞くことが多く感じられます。
日蓮聖人は『富木殿御書』で「一般世間の様子を見ても、賢人といわれるような人は、平安な時であっても常に危難を忘れずにいて注意を怠らず、凡人は危険な状態におかれていても、安楽なことだけを願い、かえって身をほろぼしてしまうものである」と危惧され書き著し、お釈迦さまは法華経の中で「諸願虚しからじ。亦現世において其の福報を得ん」と示しております。
法華経・お題目にご縁をいただき導かれる私たちに何時如何なる状況でも、嘆き諦める心ではなく「亦、福報を得ん」と祈る心で過ごしましょう。
(神奈川県第3部布教師会長・下津行輝)