オピニオン
2021年7月1日
お題目で心の消毒
昔の歌に、手や顔の汚れは常に洗えども、心の垢を洗う暇なしというのがあります。この1年半、手指の消毒がすっかり日常化されてきました。私たちは鏡を見て、髪形の乱れをなおしたり、手や顔の汚れはいつも洗っていますが、心の垢を洗い清めるということはなかなかできないものです。
私たちの心には、慈悲深い仏さまのような心もある一方で、怒り、貪り、愚か(三毒)も持っています。心をきれいにすることは難しいですが、その三毒を消せるのがお題目です。本来、眠っている仏さまの種を目醒めさせてくれるからです。本来ある尊い姿を見せてくれる、己が仏性を開花させるということが、本尊の意義の1つにあります。コロナ禍、自分を見失う人が多くなっているようです。お題目で仏性を喚び起こしていくことが大切です。来年、令和4年7月8日は、佐渡始顕本尊開顕から750年になります。今一度、己が心を観てみましょう。
(神奈川県第1部布教師会長・鈴木浄元)