オピニオン
2021年6月10日
ゆるみ
人がイキイキと生きていくためには、旅行や飲食などの息抜きはなくてはならないものです。しかしコロナ禍において、それらは「3密」「不要不急」といわれます。そして、「気のゆるみ」が出ないようにと監視し合うギスギスとした世の中になってしまいました。
ものつくりの現場では、加工の誤差や経年変化による動きに対応するために、適度な「ゆるみ」を駆使します。硬く固定しすぎるとそこに力が集中し壊れる原因となってしまうからです。
コロナ禍の今、求められている「ゆるみ」とは、遊び歩いたり、飲んで騒いだりすることではなく、「一緒に悩んでくれる人がいて、つらいと言える場所があること」ではないでしょうか。我慢しすぎて自分を追い詰めたり、逃げ場を探す人を責めたりせず、ほどよい「ゆるみ」のある世の中になるように、「いのちに合掌」の心で敬い合い思いやり、お題目の縁を結んでいきましょう。
(東京都南部布教師会長・吉田尚英)
