2021年6月7日
大阪三島 結社の後継事情
【大阪三島】昨年5月に教導の遷化後、法城の存続方法と後継者探しを模索していた結社であったが、500km離れた他県に住む土地建物の相続人にとっては、到底管理できるものではなく、残念ながら売却と決まった。昭和59年に発足し、信徒と共にインド仏跡へ団体参拝を行うなど、熱心に布教活動をされていたが、教導の高齢化と共に信徒の年齢も嵩み、その数も徐々に減少し続け、今一度盛り上げる体力が結社には残されていない状態での教導の遷化。その後も結社に籍を置く2人の教師も、いずれも高齢で病気がちのため、後任を辞退し、還俗の道を選ばれた。30年以上給仕を続けてこられたご本尊を残したままでの建物解体は忍びないと、修法師会(山口貴大会長)が中心となって6月7日に閉眼式を行い併せて建物へ永年の報恩感謝を捧げた。内部には、多くの仏像仏具が存在したが、仏像だけでも管内教師に声をかけて給仕してもらえるように運び出した。少子高齢化が進む中で、人口35万人の都市部においても、このような事例が出てくると思うと本当に残念でならない。当該地は、日蓮宗寺院が少ない市で、宗門にとっても重要な布教拠点を無くすことになる。仏像が無くなった御宝前を眺めながら、日本各地で過去数百年に亘って宗祖の教えを護ってこられた宗門先師の苦労に思いを寄せ、今後の布教と、宗門を支えてこられた人々の気持ちを如何に継承していくか、真剣な討議が必要ではないかと考えた。