2021年5月20日
■甲論乙駁
コロナ禍が広がるまでは毎週のように会議で上京していた。それが昨年の3月以来、感染防止のためまったく会議が開催されなくなった。宗門に限らず、日本社会は会議によって物事を決める。だから会議が開催されないと物事は決められないし、活動もできなくなる。コロナという異常事態とはいえ、宗門行政を担当する宗務院はさぞ大変だったと思う▼そんな中「窮すれば通ず」というのか、直接集まらず自宅にいたままで意見交換や会議ができるというオンライン会議なるものが登場。お陰で自宅にいたまま宗務院の会議に参加することができた。その便利さのは脱帽する▼とはいえ、ガラパゴス世代といわれる後期高齢者。横文字やカタカナ語の多い最近の情報機器には弱い。タブレットなる機器を購入し、80の手習いよろしく手取り足取りの指導でやっと到達▼マイナンバー化やインターネット化が叫ばれる日本。今後一層、情報化が進むと予想される。情報機器を使える人には便利な時代、しかし私のように使えない人間にとっては不便・不自由な世の中に。機器を使えるか使えないかで情報格差が生まれ、不利益を被ることにもなりかねない。情報弱者への細やかな配慮が一層重要になる。緊急事態の中で生まれたオンライン会議。その便利さを大事にしつつ、顔と顔を合わせ、甲論乙駁する本来の会議の良さも大切にしたい。(義)