オピニオン
2021年3月1日
変化の人
コロナ禍によってこの1年間は、我慢と辛抱の中で、さぞ不安な生活を強いられたことでしょう。しかしそんな時だからこそ気付かされることもあります。昨年私は思いもかけず、人生初の全身麻酔手術を体験しました。事前検査で異状が見つかり、不安を感じながら手術の朝を迎えました。初めて入る手術室。緊張の中、覚悟を決めて手術台に上がりました。周りではスタッフが手際よく準備をしている様子。と、その中の1人が突然話しかけてきました。「私、息子さんと同級だったSです」改めて顔を見て……思い出しました。と同時に、スーッと不安が消えて心が楽になったのです。「そうか、息子の友だちに見守ってもらえたら安心…」と口にした後、意識がなくなりました。手術は無事終わりましたが、私にとってS君はまさに変化の人でした。「信心強ければ変化の人が現れ護る」。国難続く中、私たち自らも変化の人となるよう、全集中で努めて参りましょう。
(山形県布教師会長・外塚顕龍)