2021年2月13日
新潟東 寺院研究会
【新潟東】新潟東部宗務所の寺院研究会が2月13日に新潟市内の長照寺で開催され、新潟市の僧侶14人が参加しました。講師には宗教学者 正木 晃先生に来ていただき、「現代仏教が直面する課題と解決への道」を演題として鎌倉時代の後半期の平均死亡年齢は二十四歳であり、短い人生の人々は死後の人生のほうが生の時間より長いと考えていたので死後の世界での関心が宗教に強く結びついていたとされます。しかし今の平均寿命の長い人々の人生では生の時間が死より中心になっている現代に我々はどう向き合っていけばいいのかと正木先生は講義されました。話の中で毎日新聞科学環境部の須田桃子記者が書いた「合成生物学の衝撃」の記事ではコンピューターで設計し、実験室で1から合成された人工DNAを持つ初の生命体が2016年3月に米国から発表され、神がすべての生物を作ったというのが真実とされていたキリスト教は科学に種の起源を否定されたと話しました。もはや科学では人工生命が出来ているので生命の誕生は科学に死後の世界は宗教になってしまった。我々はどうするか・・・正木先生は「このコロナ禍の時代、死後の問題は真っ先に取り組む緊急的な問題である。科学では生命の始まりは証明できても死後の世界はまだ科学では手がつけられない」と、「これからの世の中で宗教者がどう変化していけばいいのか、それは世俗の人々が求める「宗教的人格」とは何か?を考え実践し、例えば、霊山浄土はどこにあるのかといった質問(死の問題)に対しはっきりとどの様に答えられるかが、今後私たちがこれからの時代に必要とされるかの分かれ道になる」と語った。
講義では新型コロナウイルス感染防止に配慮した上で開かれました。