日蓮宗新聞

2020年12月1日号

日蓮聖人佐渡遠流750年 入三昧堂会で報恩捧ぐ

佐渡法要日蓮聖人が『開目抄』を著された霊跡・新潟県佐渡市本山根本寺で11月1日に佐渡遠流750年報恩奉行会主催の入三昧堂会並びに御更衣式法要が営まれた。また10月30、31日の2日間をかけて、日蓮聖人の思いを体現するために着岸の地・松ヶ崎から根本寺三昧堂までの行脚が行われた。
文永8年(1271)、幕府により鎌倉で捕らえられ、斬首寸前までになられた後、佐渡配流の身となられた日蓮聖人は、10月28日に佐渡島へ到着され、11月1日に塚原の三昧堂に入られたと伝わる。それから同11年(1274)2月に赦免となられるまでの間、聖人や門下の者にとって重要となる御書『開目抄』と『観心本尊抄』、そして『佐渡始顕大曼荼羅御本尊』をあらわされた。今年は佐渡配流から750年の節目となる。
根本寺の竹中日貫首は、2年前に記念法要を発願。750年の節目を迎えるにあたり、日蓮聖人が伊豆法難時に譲られた随身仏を佐渡にまで持たれていたという故事に倣い、三昧堂に安置される日蓮聖人像のために仏像を造立し、記念法要の当日に奉安するまで法華経一部を唱え、懇ろに供養してきた。
2日間の行脚には新潟県内をはじめ全国から集まった僧侶ら約50人が参加した。先導を務めたのは、竹中貫首と古くから交流がある本山妙宣寺檀徒で、新潟県北部檀信徒協議会長の猪俣昌志さん(79)。竹中貫首から依頼され、今回行脚した道の調整役も務めた。猪俣さんは、日蓮聖人が通られた道を調べている松ヶ崎本行寺や該当地域の人たちの言い伝え、史跡などを頼りに、今回のルートを決定。現在は失われていたり、歩くには難しい道もあるため、できるだけ想定に近いルートとなるように調整したという。
行脚では造立した仏像を竹中貫首が大事に随身し、全国の有志僧侶らとともにお題目を唱えながら日蓮聖人の道を一歩一歩踏みしめた。海辺からの山越えとなる厳しいルートを2日間で歩ききった僧侶の1人は「日蓮聖人が大変な思いをされながら通られたことを感じた。いつもと違った行脚となり、門下の僧侶として感慨一入だった」と報恩への思いを一層強くした。
また無事に全員を三昧堂まで導いた猪俣さんは「日蓮聖人が2日かけられたのか、それとも1日で着かれたのかはわかりません。でも三昧堂まで来られたのは事実。それを伝え続けるのが私たちの使命」と大役を終え相好を崩した。
多くの檀信徒が三昧堂を取り囲み合掌するなか、竹中貫首を導師に法要は営まれた。日蓮聖人が入られた当時の三昧堂は、雪吹き荒ぶほどのあばら屋だったことから、当時のご苦労を偲びながらの法要となった。お衣替えが終わると竹中貫首は随身仏を祖師像へ奉納するとともに、今後もこの霊跡を護っていくことを誓った。
法要後、竹中貫首は「入堂会は毎年、ひっそりと営んでいたが、この記念の年には多くの人たちと日蓮聖人の軌跡を共有しなければならないと思っていた。この法要に合わせ佐渡にまで足を運び、慕ってやまない日蓮聖人に会いに来た人たちは、かつてのお弟子さんのよう。素晴らしいことだと思う。みんなはまた自分たちの布教や活躍の場所へ帰ってしまうが、残る私たちが今日から聖人のご赦免となられる2年と3ヵ月、しっかりと給仕していきたい」と750年前を今のできごととして受け止めていた。

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