日蓮宗新聞

2020年10月1日号

龍口法難750年宗門法要営まれる

龍口法難750年①鎌倉時代、苦しみのなかにあった日本国の人びとを、正しい仏法で救おうと立ち上がられた日蓮聖人は、為政者らから数々の迫害(法難)を受けられた。その大きな法難の1つであった「龍口法難」(文永8年=1271年9月12日)から750年のご正当を迎え、菅野日彰管長猊下を大導師に「龍口法難750年宗門法要」が法難の霊跡、神奈川県藤沢市本山龍口寺で9月11日に営まれた。

■コロナ対策万全尽くす
今回の宗門法要は龍口寺の本間日恩貫首を奉行会総裁に、東京4管区・神奈川3管区からなる京浜教区(茂田井教洵教区長=奉行委員長)をあげて営まれた。また新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から検温はもちろん、間隔を空けての出仕者と参列者の座配、マウスシールドを装着しての法要となったほか、3人の救護班を待機させるなど万全が尽くされた。また参列者人数も抑えられ、中川法政宗務総長、本山寺院の貫首、柳下俊明宗会議長や宗会議員、宗務所長、池上幸保全国檀信徒協議会長らの約50人のほか、檀信徒が本堂内でともに報恩感謝を捧げた。
法要は菅野管長猊下が大導師、本間貫首・茂田井教区長をはじめとする教区内7管区の宗務所長が副導師、全国修法師会連合会の吉田顕嶺会長(神奈川1部)が修法導師を務めた。また会行事・修法師・声明師(式衆)は7管区から各役1師ずつが代表として出仕し、各管区の龍口法難や日蓮聖人への思いを背負い経文とお題目、声明を唱えた。
■末法に生きる私たちに
菅野猊下は恭しくご宝前に進まれ表白文を奉読。文応元年(1260)に日蓮聖人が仏国土を建設するため前の執権・北条時頼に『立正安国論』を献じたことにより始まった数々の大きな法難のなかで龍口法難が大難中の大難とされ、この時にまさしく法華経の行者、上行菩薩のご自覚を持たれたことを述べられた。また江ノ島の方から光が来たことにより、処刑人の目がくらみ、兵士たちも恐れ慄いたことから「法華経、お題目受持者を守護するみ仏の誓言の確たること、日蓮聖人のご法体のみならず、末法に生きる私たちにも示された」と日蓮宗徒における龍口法難の意義も語られ、新型コロナウイルスが蔓延する今こそ、日蓮聖人の願行「立正安国」を顕現するため、門下一同で不惜身命にして法華経を広宣流布することを誓われた。また菅野猊下のご親修でも「龍口法難から750年の今、世界と日本では日蓮聖人が予言された天変地異、戦乱、貧富の差が起こり、新型コロナという疫病までが全世界に流行しています。〝令和の世の立正安国の必要と実現〟を目の当たりにしている私たちは何をなすべきか。それは、一個人としては身口意三業、お題目の心での生活、つまり自分の行動1つひとつがお題目の心に適っているかと自らに問いただす生活をすることです。社会や日本、世界に向けては〝令和の時代ならではの立正安世界〟の実現をよびかけることが求められています」とご教示された。
■お題目を遙か未来へ
続いて中川宗務総長は「この聖日を迎え、お題目という灯を後進へと、さらには遙か未来へとつなげる覚悟、そしてコロナ蔓延のなか人心喪失、風評被害によって互いを傷つけ合う修羅の心を本復せしめるため、日蓮聖人の末弟として自覚を一層堅固にしなければなりません」と挨拶。謝辞では本間貫首が、首の座にあられた日蓮聖人が助かられたという故事が、江戸の庶民に知られていたことを表すエピソードを紹介し、これからも多くの人に龍口法難を伝えていく覚悟を示した。
■感謝のなかで生きる
今回の法要は、龍口法難750年宗門法要奉行会が菅野猊下とともに、龍口法難のご正当に報恩を捧げるための大切な宗門法要をコロナ禍でどのように営めばいいのかと苦心を重ねてきた。茂田井教区長は「当たり前のように法要を営むことや大勢でお題目を唱えることができないコロナ禍という困難な時だからこそ、より一丸となり、日蓮聖人に私たちの気持ちを伝えることができたと思います。感謝のなかで生きることが大切だと改めて知ることになり、本当に価値のある法要になりました」と法要の無事の円成に胸をなでおろしながら語った。

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