オピニオン

2020年8月1日

世界平和の誓願と立正安国・お題目結縁運動

■世界平和の誓願
 8月15日には、第2次世界大戦終戦75周年記念日を迎える。
 その前の8月6日には広島、8月9日には長崎の原爆被爆75周年となる。
 日本が経験したことがなかった悲惨な敗戦に当たって、日本の人びとはみんな2度と戦争はしてはならないと誓った。
 「三度許すまじ原爆を」とうたい続け、絶対悪の核兵器など、この世の存在は許さないと誓った。
 世界平和が日本の国にとって世界人類にとって、いかに大切かを日本国民全ての人びとが身心ともに経験し、世界平和の誓願を立てて、日本国の再建に立ち上がって75年が過ぎた。
 いまや日本の平和と繁栄が続くなかで、突如として世界中に新型コロナウイルスの流行が起きた。日本にも緊急事態宣言が発出されたり、未だに不安な日々が続いている。
 『立正安国論』の「汝すべからく一身の安堵を思わば、先ず四表の静謐を祈るべきものか」の言葉や、宮沢賢治の「世界全体が幸福にならないうちは、個人の幸福はあり得ない」との言葉が身に沁みてきて実感している。
 さらにこの新型コロナウイルス禍の最中に、日本列島を含めて東アジアでは豪雨に襲われ、多大な被害や大勢の犠牲者が出ている。
 まさに今や人類の危機、日本の危機に直面しているのではないだろうか。
■人類の危機
 アメリカの人類の生態学者で、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のジャレド・ダイアモンド教授が、『危機と人類』という著書を出した。その日本語訳が昨年10月に出版されている。そのなかで人類が直面している4つの問題が、「世界を待ち受けるもの」(危機の問題)として取り上げられている。
 その問題とは、第1に核兵器の使用である。第2は気候変動である。第3は地球資源の枯渇である。第4は世界的な生活水準における格差の拡大であるとしている。そのほか、イスラム教原理主義、新種の伝染病、小惑星の衝突などもあるとしている。
 このダイアモンド教授の指摘通りに、新型伝染病の蔓延がいち早く起きてしまった。しかし、先の4つの問題もいつ起きても不思議ではない。
 とくに第1の核使用の危機のことは、日本は日本の使命として真剣に取り組まなければならない。今度のパンデミックでは、気付き、学ばなければならないことが多い。核兵器廃絶が遅々として進まないなかで、私たち日本人は日本への警鐘と受け止めていこう。
■立正安国・お題目結縁運動
 日蓮聖人ご降誕800年を来年に控えて、世界人類は不安な感染症の危機の時代を迎えた。
 しかし、危機を乗り越えた後には、必ず新しい時代がくるといわれている。この新しい時代を光明観を持って迎えていこう。
 ご降誕800年の記念すべき年を、希望に満ちあふれた新しい時代の門出としたいものだ。それにはダイアモンド教授の指摘している人類の危機の問題を乗り越えていくことである。
 立正安国・お題目結縁運動の目的は、全ての人びとが命の尊厳とその使命に目覚めて、この娑婆世界を法華経の仏国土の平和な世界にしていくことにある。
 そのために私たちの命のみ親・ご本仏のみ心の絶対平和のお題目を唱えて、宗教の時代にしていくことだ。ご本仏・法華経の魂であるお題目を唱えて、それぞれ、天授の使命に生きていけば、必ずや世界が平和になり、私たちの命も輝いてきて幸せになる。そのことを心のそこから信じて精進していこう。
(論説委員・功刀貞如)

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