オピニオン
2020年8月1日
得聞此経 六根清浄
私たちが幸せを感じるのはどんな時でしょうか。美しい自然を見た時、大好きな音楽を聴いている時、花の香りを胸いっぱいに吸い込んだ時、美味しい食事を頂いている時、天日干しされたフカフカの布団で眠りにつく時、家族の愛を感じた時…。人間は眼・耳・鼻・舌・身(肌)・意(心)の六根という感覚器官を通して快不快を感じます。
コロナ禍で新生活様式が推奨されています。寺院もこれからは法事や施餓鬼などをリモート化し、法話をユーチューブで配信する時代でしょうか。自宅で気軽に参加できるリモートは便利ですが、伝わらないものもあります。それは香りや味、肌触りや質感そして温度に空気感です。ハンコがなくなり、ジムやヨガはオンライン。買い物はネットで食事は横並び。何か違う方向へ進んでませんか。なぜ近年に災害が勃発するのでしょう? その根本を考えての新生活ではないかと思うのです。今こそ法華経で六根を研ぎ澄ますべきです。
(兵庫県東部布教師会長・新間智孝)