オピニオン
2020年5月10日
我慢を捨てて
今の社会において、芸能人や有名人が不祥事を起こすと、批判や非難が殺到して収拾が付かなくなることがよくあります。
一般の人びとが自由に発言、発信できることは大切です。しかし、安易に他人を傷つけるだけの批判は慎まなければなりません。
我慢という言葉は、我慢強いなどと良い意味で使われますが、本来は仏教用語で、「自分をえらく思い、他人を軽んずること、うぬぼれ」という意味があります。
日蓮聖人は「仏にならんと思わば、慢のはたほこをたおし、怒りの杖を捨てて、ひとえに一乗に帰すべし」(『持妙法華問答抄』)と、おごりや怒りを捨てて、慎むことが仏の道への第一歩であると説かれています。
私たち日蓮宗は、安穏な社会づくりを目指しています。安穏な社会には、1人ひとりがおごり、怒りの気持ちから離れることが第一歩です。
(大阪府和泉布教師会長・足立英修)