オピニオン
2020年4月1日
信念に安住すること
過ちを犯した人が「仏法」に巡り合ったことで、努力して成功を収めました。しかし、再び過ちを犯してしまいました。それでも「遇い難き仏法に遇う」ことができ、仏法に触れたのですから、もう一度努力してくれると信じています。
私たちは誰しもが三界に流転し、煩悩、業苦の三道に右往左往の迷い多き存在です。現代は網の目が複雑な中で関連し合いながら、縁起(因縁生起)の世界に身を置き、生かされ合っている世の中です。日蓮聖人は「袋きたなしとて金を捨つることなかれ」とも「妙とは蘇生の義なり」とも示されました。ご生涯の信念に至られたお言葉です。
順逆の両縁あってこそ、仏祖三宝の大慈大悲の光明を頂き、生かされながらも生きようとする。意義や自己の存在の意味にも至り、泥中にあって罪を滅し善を生ずの信念は、法華経、お題目を行じ続けてこその大果報にほかなりません。
(福井北部布教師会長・奥野文長)