ひとくち説法
2020年3月1日号
涅槃会に思う
能登の寺院では、涅槃会を旧暦に近い3月に営むところが多く、私のお寺もこの時期に、色彩豊かな涅槃団子をお供えし法要を営みます。
近接する本山妙成寺では、長谷川等伯が描いた貴重な涅槃図が本堂に掲げられ、盛大な法要が営まれます。涅槃図には、ご入滅され横たわるお釈迦さまを、多くの仏弟子や動物たちが取り囲み、嘆き悲しんでいる様子が描かれています。
檀家の信心深い83歳のおばあさんが亡くなりました。孫にあたる女性が、斎場で親族が控室に行こうと声を掛けても、火葬炉の前から決して離れず、むせび泣きながら1人で合掌する姿に心打たれました。おばあさんは、温厚な人柄で自分より周りの人のことを大切にされたそうです。
法華経の教えに生きるとは、お釈迦さまや日蓮聖人の慈悲の心をもって生きることです。他者を慈しみ敬う心の大切さを胸に刻み、涅槃会では檀信徒と共に報恩のお題目を唱えたいと思います。
(石川2部布教師会長・藤井昭光)
涅槃会に思う
能登の寺院では、涅槃会を旧暦に近い3月に営むところが多く、私のお寺もこの時期に、色彩豊かな涅槃団子をお供えし法要を営みます。
近接する本山妙成寺では、長谷川等伯が描いた貴重な涅槃図が本堂に掲げられ、盛大な法要が営まれます。涅槃図には、ご入滅され横たわるお釈迦さまを、多くの仏弟子や動物たちが取り囲み、嘆き悲しんでいる様子が描かれています。
檀徒の信心深い83歳のおばあさんが亡くなりました。孫にあたる女性が、斎場で親族が控室に行こうと声を掛けても、火葬炉の前から決して離れず、むせび泣きながら1人で合掌する姿に心打たれました。おばあさんは、温厚な人柄で自分より周りの人のことを大切にされたそうです。
法華経の教えに生きるとは、お釈迦さまや日蓮聖人の慈悲の心をもって生きることです。他者を慈しみ敬う心の大切さを胸に刻み、涅槃会では檀信徒と共に報恩のお題目を唱えたいと思います。
(石川2部布教師会長・藤井昭光)