オピニオン
2020年1月20日
郷土の言葉から
比較的、方言の少ない地域に育ちましたが、郷土ならではの豊かな言葉を耳にする機会はあります。先日、友人と話していたら「おれ、〝ずくなし〟だからさぁ…」と久々に聞くフレーズ。「ずくなし」とか「ずくがない」というのは、「根気がない」や「意気地がない」といった意味の郷土の言葉です。調べてみましたら、お隣りの県でも使われる方言のようです。
諸説ありますが、お釈迦さまは涅槃に入られる前、「すべてのものごとはうつりゆく。怠らず努力せよ」と語られたと伝えられます。「諸行無常」の教えとともにお弟子たちを叱咤激励されました。とかく人間は弱い方向へ流されやすいものです。仏教=法華経、日蓮聖人の言葉は万人に開かれた教え。強い心を持つ者はさらにそれを磨き、弱い心の者には怠らぬよう励ますものとなります。南無妙法蓮華経のお題目で、私もみなさんとともに「ずくなし」の心を鍛えたいと思います。
(新潟県西部布教師会長・池浦英晃)