オピニオン

2020年1月1日

かかりつけの坊さん

 十二支で表すと、今年は子年である。「子」という字を解字すると「了」+「一」となり、物事の終わりの了と、始まりの一という2つの意味を持ち合わせる。今回は終わりと始まりの話をしたい▼新年から恐縮ではあるが、人生の終わり「枕経」の話である。悲しみに直面している遺族の中に僧侶が入っていくと、それまで固まっていた事態が、急に動き出す感覚を何度か経験している▼40代のご主人を癌で亡くし、1年経たないうちに息子を事故で失った檀家さんの話である。枕経は遺族は元より親族からも泣き声すら出ない悲しみの中の極限の放心状態で、僧侶と葬儀社、近所で葬儀の流れを作った。七日経はもちろん、近くを通る時には立ち寄り話をした。49日の法事の後、「かかりつけの坊さんがいてもいいなぁ」という遺族の言葉が胸に響いた。実は別の檀家で「婆ちゃんは安心して逝きました。かかりつけのお医者さんのお蔭で…」という言葉を聞いていたからだ。かかりつけの医師で「ホームドクター」という制度があるならば、かかりつけの僧侶で「ホーム坊さん」制度があっていい▼日蓮宗は守護神信仰の系譜を持つ。檀家以外の信徒も抱えている。個人の研修だけでなく宗門の制度として整備してはどうか。日蓮聖人には「蘇生の御曼荼羅」がある。終わりから始まるものを、大切にされたに違いないと考えたからである。(雅)

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