2019年12月10日号
「岡山の日蓮法華」展が好評のうちに閉幕
10月11日から11月10日まで岡山県立博物館で開催されていた令和元年度特別展「岡山の日蓮法華」が閉幕した。期間中1万729人を集め、同館で開催された特別展での日数当たりの来館者数は過去最高という。
同展では、日蓮聖人ご真筆の「大曼荼羅御本尊」2点と『神国王御書』『盂蘭盆御書』2点を含む日蓮宗や他法華系教団の寺宝計110点を公開。岡山と京都の文化の伝播や三備地区における教団の展開がひもとかれる内容として高評価を受けた。また中尾堯立正大学名誉教授によると、ご真筆のご本尊・ご遺文とも岡山での公開は初で、とくに経一丸(後の日像上人)に授与された『玄旨伝法本尊』は「格護する京都大本山妙顯寺の蔵を出たことがないのでは」というほど注目を集めた。
また10月21日には宗門史跡の吉備中央町妙本寺で現地説明会が開かれ、約130人が参加した。県指定重要文化財の本堂では同館学芸員の中田利枝子氏による特別展の解説、重要文化財の番神堂がある境内では平野信行住職による特別拝観や案内が行われた。
中田氏は会期を終え、「岡山における法華系教団の展開や、また当時の中央である京都との密接な関係を表現したことで、地方ならではの展示になったと思う。図録の問い合わせも北海道から九州まで寄せられ関心の高さがうかがえた」と語った。