2019年11月10日
新時代への決意と立正安国・お題目結縁運動
大自然の異常現象
まずは、10月の台風19号で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げ、被災した方々に心よりお見舞い申し上げます。
9月の15号台風に引き続いて10月の19号台風は、今までに経験したことのない程の暴風や豪雨をもたらし、日本列島に激甚の災害をもたらしました。
特に19号台風は、「100年に一度」という程の雨量となり、被害は35都道府県に及びました。全国で52河川が氾濫で決壊し、流失、浸水の家屋が続出し、未曾有の大水害となりました。
10月21日現在で、死亡した方は82人、行方不明の方は11人と発表されています。
近年、地球温暖化により、異常気象が続いていますが、今ほど地球の安穏と人類の平和への努力が要請されている時はありません。
日蓮聖人は立正安国論に、
「国を失い、家を滅せば、何れの所に世を遁れん。汝須く一身の安堵を思わば、先ず四表の静謐を祷るべきか」(国が亡び家を失ってしまえば、いったいどこに逃れる所がありましょうか。一身の安穏を願うならば、まず何をおいても世の中の平和を祈らなければなりません)と説かれております。
新しい時代への決意
台風の被害から復旧へと立ち上がっていた10月22日、新天皇陛下の「即位の礼正殿の儀」が行われました。
国内外から2千人が参列した中で、陛下は、「ここに国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら憲法にのっとり、日本国および日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓います」と述べられました。
上皇陛下が30年の在位の間、世界の平和を願われて、国民と苦楽を共にされて来られたことの御心を引き継いで、令和の時代も世界平和を希求していかれることを世界に宣言しました。
令和の新時代の目標を、「世界平和」という大目標に決意されたことは、新しい時代の将来に光明が差してくる思いです。
天地は人類の鏡
日蓮聖人は、「天地の国の鏡」といわれました。今や天地は世界人類の鏡であります。
この度の陛下の即位には、海外から191か国・機関などの代表が参列されました。このことは、国は一国主義ではなくて、世界人類・地球国家の一員として考えていかなければならない時代であることを示しているように思えます。
したがって天地は、同じ天地の地球に生きる世界人類の鏡であります。
その人類は私達一人一人から構成されていますので、「天地は私達一人一人の鏡」であるとも言えます。
さてそうなると私達の責任も重大です。その責任を自覚し、行動していくのが、「立正安国・お題目結縁運動」であります。
立正安国・お題目結縁運動
いま人類社会は平穏無事でしょうか。あえて悲観的に見るわけではありませんが、天災地変があり、テロがあり、戦争があり、新型核兵器の開発競争があり、諸々の不安材料が横たわっています。
特に自然大災害を引き起こす温暖化対策は緊急の問題です。地球を破壊し人類を滅亡に導く核兵器の廃絶の問題も急を要しています。
立正安国のお題目の祈りは、私達が世界人類の平和・地球国土の安穏の中で生きるための祈りであります。
この祈りを持って、それぞれの天命に生きていくことが、私達人類一人一人に課せられた使命であります。
(論説委員・功刀貞如)