2019年11月4日
愛知尾張 こころといのちの講演会
【愛知尾張】11月4日、一宮市の総合大雄会病院・南館10階で、尾張社会教化事業協会主催の「こころといのちの講演会」が行われ、芦花ホーム常任医師の石飛幸三氏と斉藤大法上人(埼玉県要唱寺住職)の講演と対談が行われ、約180名の参加者が耳を傾けた。
主催の尾張社教会会長井村一誠上人(東海市妙法寺住職)の挨拶ではじまったこの講演会は、高齢者医療と介護の未来に焦点をあて、「平穏死」を勧められて医師・石飛幸三氏の講演を基に人生の終末期に於けるさまざまな問題点を考えさせられる場となった。実際に外科医として人々の命を救ってきた石飛氏が、病院死が8割という現状に、医療が本人の為になっているのかと疑問を懐いて生と死を考える話は、聴衆を引き込んだ。休憩の後、斉藤上人の講演が行われた。僧侶という立場から現在の医療の問題点を取り上げ、高齢者医療費が急増している反面、死との向かい合いが出来ない我々の現状はまさしく宗教・哲学が機能していない事を表していると指摘した。精神科医から僧侶へと道を進んだ斉藤上人の話も石飛氏の平穏死と?がるものがあり、より一層仏教の教えによる心の救済へ期待が高まるものと感じられた。
話を聞いた一般参加者からは、「石飛氏の話は、お医者さん自ら現在行われている医療を否定するという奇抜な内容で、特に病院内の講堂に於いてこのような話が聞けた事に驚いた」「特養に母を入れている身として、心に突き刺さる話であった。母が一日でも人生を全うできるような支えとなるよう、これから仏教の教えを学びたい」という声が挙がっていた。