オピニオン

2019年5月1日

再建とひとつ心

4月15日、パリのノートルダム寺院が炎上した。崩れ落ちた尖塔、取り囲む群衆の涙を流し祈る姿に、衝撃を受けた。「フランス国民にとって、信仰の象徴であり、心の拠り所だったのでしょう」。ニュースを見ながら話しかけると「ウチのお寺も焼けたことがありましたよ」と檀家に返された▼改めて自坊の歴史を調べた。念仏の盛んな地で題目講を結成し、江戸時代から細々と続いてきた信仰の灯が燃え上がったのは、2度の火災のお蔭だったのかもしれない▼明治8年は、日蓮宗の総本山身延山が灰燼に帰した年である。その年、講中の集会所が火事に遭っている。同14年宗祖六百遠忌に向けて、日蓮宗の象徴・身延山の復興、そこから始まる宗門運動に歩調を合わせるように、自坊も時の住職と檀信徒が力を合わせ、11年寺院創立、13年移転・本堂建立・寺号公称している。しかし18年、村を焼き尽くす大火で類焼。被災している檀家が多かったが、翌年仮復興するも、心労のため住職は遷化。悲しみを乗り越え、新住職と檀信徒が一体となって本堂を再建した▼身延山も自坊も困難な状況が、かえって人びとの結束を生み、再建したのだった。ノートルダム寺院がそうなることを信じたい▼移民や経済格差など、フランスは今、社会的にも政治的にも分断されている。再建することで国民が1つになれたらと祈るばかりだ。(雅)

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