日蓮宗新聞
2019年2月1日号
総本山 身延山久遠寺 お年頭会
山梨県総本山身延山久遠寺の棲神閣祖師堂で1月13日、お年頭会の法要が営まれた。内野日総法主猊下が日蓮聖人の年初の月命日に新年の祝詞を申し上げ、参列した中川法政宗務総長をはじめとする僧侶檀信徒約400人とともに一天四海皆帰妙法の実現をもって報恩とすることを誓われた。
講堂で行われた祝賀宴では内野法主猊下が新年のご挨拶で「本年の干支である己亥は次のステージに向けた準備期間であり、どこで力を発揮するか見つめ直すという意味があります。身延山では2年後の日蓮聖人降誕八百年、4年後の開闢750年を迎える準備をする年です。この慶事に向け、ますますのお題目修行を行い、本年が法華経の感激に満ちた1年となりますようお祈り申し上げます」と述べられた。
また昨年総務に就任した持田日勇師は、「伝統を大事にしつつ、改めるべきところは改めていきたい」と覚悟を示し、「身延山で共に生き共に栄えるという共生共栄運動を展開するため、部署を設置したい。生かされて生きることは但行礼拝の精神。人を生かすために生きることは立正安国の精神。法主猊下の意を体して宗門と身延山が栄える活動を展開したい」と挨拶で抱負を述べた。
お年頭会は、身延山開基檀越の波木井実長公が日蓮聖人の草庵を訪れ、新年の挨拶をしたことにはじまる。また実長公の館で波木井家の先祖回向をした後、歓待を受けられた日蓮聖人はことのほかお喜びになられたという。日蓮聖人ご在山の9ヵ年、さらにご入滅後も御魂に賀を献じ忍難慈勝高徳を偲ぶために現在まで続いている。また波木井邸に向かわれる時、召された駿馬を愛でられた故事から曳馬式も行われる。