ひとくち説法
2019年2月20日
奉仕の浄行を達せしめたまえ
「奉仕の浄行を達せしめたまえ」とは、私たちがお寺やお家で食事の前にお唱えする日蓮宗の「食法」の最後の一節です。私たちは多くの動物や植物の命をいただき、多くの人びとや物や環境の恩恵を受けて、日々の命を保っております。水・食べ物・服や建物、今のような冬であれば暖房がなければ、私たちは生きることができません。
しかしそれらもすべて、誰かが作り・運び、設備を整えたりしてくれるから、私たちのもとに届き、口にしたり、使うことができているはずです。その諸々のことにかかわる多くの人に感謝して日々を過ごすことが大切です。お釈迦さまは「知恩報恩」、「恩を知って、恩に報いなさい」と教えてくださいます。多くの恩に気付き、多くの人に喜んでもらえる、「ありがとう」と言ってもらえる行いをする日々を過ごすことが「奉仕の浄行」「菩薩行」の実践となるのです。
(北海道東部布教師会長・久富慈順)