2019年2月10日
◆ヒヨドリの親子
やんちゃな娘に手を焼き、気分転換に…と思い、庭に出るとヒヨドリの親子がいた。境内にはさまざまな鳥がやって来るが、昨年はヒヨドリが庭で子育てをしていた。卵を暖め、せっせとヒナに餌を運び、飛び方を教え、巣立ってからもつかず離れず餌の捕り方を教えていた。誰に習ったわけでもないのに…と、その見事な育児ぶりを感心して見ていた。「どうして学校では子どもの育て方を教えてくれなかったのかな…」なんて愚痴を言っている自分が恥ずかしくなった▼言うことを聞かない子どもにイライラし、子育ての意味を見失っていた私に「子どもが元気に巣立てばいいじゃない♪」、ママヒヨドリはそう言ってくれているようだった▼子どもに「こうあるべき、ああなって欲しい」、つい理想を押し付けてしまうが、そう、子育ての目的は子どもを独り立ちさせることだった。では独り立ちとは何だろう? 〝誰の力も借りずに1人で生きていく〟ことだろうか。生きとし生けるものは皆、生を受け、他の命をいただいて命を繋ぎ、太陽の光を浴びて成長する。全てが支え合って生きていることを知り、その恩に感謝して生きられることが本当の意味での独り立ちなのかもしれない▼きっとヒヨドリはかつて親鳥にしてもらったように子育てしているのだ。私も母からの愛情をしっかりと受け継ぎ、改めて母を倣って子育てに向き合っていこうと思う。(蛙)