2019年2月1日
◆降誕八百年
今月16日は日蓮聖人がお生まれになられた日だ。この日からちょうど2年後が日蓮聖人降誕八百年のご聖日となる。日本では今年の5月に元号が変わるという大きな出来事があり、来年には東京オリンピックが開かれる。その大イベントに続く翌年(2021年)の位置に八百年はある▼平成を振り返れば、ベルリンの壁崩壊や冷戦の終結は衝撃的で、「世界が変わった日」とテロップで報道される映像に9・11テロはさらに衝撃だった。災害も多く、降誕八百年の年は東日本大震災から10年という節目でもある。生活に目を向ければインターネットの普及で便利になったが、その反面、匿名性の高いネット社会が原因となる凶悪事件も引き起こされるようになった。さらには稚拙な事件も増えた。(というより、明るみに出るようになったというべきか)▼宗門では八百年を目途に宗門運動、慶讃事業とさまざま展開している。しかし根底に持たなければならないのは「日蓮宗徒である自身として日蓮聖人の降誕をどう受け止めるか」である。そこから、考えを始めないと「仏作って魂入れず」となってしまう▼「貧」「富」、「容」「敵」などと2極化しているように感じる変化の時代は皮肉にも見つめ直しやすい時代でもある。法華の人間として、合掌の心=あらゆる人を敬う心を届ける伝道者としての誇り溢れる八百年にしよう。(緑)