オピニオン
2019年1月20日
仏国土のイメージ
夕刻、お母さんの心には夕餉の品じなが浮かびます。家を新築しようとする家族の心にはモデルハウスなどから、想像が膨らみます。資金の目処をつけ、業者に依頼すれば、新居は実現します。
誰よりも世界平和を希求された日蓮聖人の御心には、法華経の本門虚空会をモデルに、その概要がすでにできていました。若し流刑地・佐渡島で、このまま命終すれば、後世の人びとが迷うからと、紙面に設計図を描き、『観心本尊抄』という仕様解説も認められたのです。健康で長生き・なるべく苦労せず楽に・縛られず・争わず穏やかに暮らしたい(四徳波羅蜜)の思いが、人類共通の願いです。その実現が、裟婆世界での浄土建設に他なりません。日蓮聖人はその棟梁として仕事を成就され、門下は意志を引き継ぎ、現代に伝灯を繋いでいます。平成の世の筈が、自然界・人間界は大きく揺れ動いています。「今こそ人類の柱・眼目・大船として、教団が機能を発揮する秋だろう」と仰せでしょう。(岩手県布教師会長・三浦恵伸)