2019年1月1日号
あけましておめでとうございます。
あけましておめでとうございます。
平成の年号で迎える最後のお正月です。みなさんそれぞれに感慨があろうかと思います。思い起こせば、平成の年号の始まりは、お正月明けすぐのことでした。あの頃はまだ携帯電話もパソコンも普及していませんでした。その後、西暦2000年頃からインフォメーション・テクノロジー(IT)の加速度的な発展があり、産業革命に匹敵するような社会変革を生み出しました。まさに平成は変動の時代だった、と感じる人も多いのではないでしょうか。
変動の時代にあって、変わらぬもの、変えてはいけないものはたくさんあります。そんなどんな時代になっても変わらぬもののひとつに、お釈迦さまの説かれたみ教えがあります。その不変の教えにのっとって、日蓮宗では2021年に迎える日蓮聖人降誕八百年を目途に宗門運動「立正安国・お題目結縁運動」を展開しています。現在その運動で、「敬いの合掌」を通して人と人とが敬い合う安穏な社会づくりを目指しています。
年号の節目を控えるこのお正月に、すべての人びとに仏性(仏さまとなる性質・種)を感じる心をもって、平成を振り返ってみてください。あわただしい変革の中で見失ってしまった大切なことに気づき、改めなくてはいけない自分自身の発見につながることでしょう。便利さ、豊かさ。こういったことを物質面だけに片寄ることなく、ありがたさや安穏な世の中という心の面も見つめ直し、より良い世の中にしていきましょう。