2018年11月20日
6世紀後半頃からキリスト教のカトリック教会では
6世紀後半頃からキリスト教のカトリック教会では、「7つの死に至る罪」または「7つの罪源」といわれる「7つの大罪」というものを挙げ、信徒を指導してきた。高慢、物欲(貪欲)、ねたみ(嫉妬)、憤怒、色欲(肉欲)、貪食、怠惰の7つで、人間が罪を犯す元となるものとして戒めたという▼1925年10月10日、インド独立の父マハトマ・ガンジーは、理念なき政治、労働なき富、良心なき快楽、人格なき学識、道徳なき商業、人間性なき科学、献身なき信仰の7つを「7つの社会的罪」として挙げたという▼2008年3月、ローマ教皇庁は新たな7つの大罪を発表した。それは遺伝子改造、人体実験、環境汚染、社会的不公正、貧困、過度な裕福さ、麻薬中毒というもの。教会が現代社会に対し、教会としての考えを示し、それによって社会を指導しようとしていることに驚く▼現代社会はとても複雑で簡単に答えの出せない深刻な問題を抱えている。人工知能、臓器移植や生命倫理、平和と国防、エネルギーと安全や環境、過疎化、少子高齢化、福祉、教育、貧富、地域格差…▼法華経は人類の指導原理だという。日蓮聖人はその教えを元に立正安国を掲げ、幕府を諫暁した。現代社会の諸問題に対し、個人ではなく、日蓮宗という教団としての見解を示し、社会の指導原理となれたら素晴らしいと思うのだが。
(義)