2018年11月10日号
近畿教区大会開く
京都市大本山妙顯寺で10月28日、日蓮聖人降誕八百年を記念した近畿教区大会が開かれた。第54代日蓮宗管長・菅野日彰猊下が大導師を務めた初となる慶讃法要も盛大に営まれ、約1,000人の僧侶檀信徒がお題目を捧げてお祝いした。
当日は教区内5講中が妙顯寺周辺を万灯練供養を行うとともに、各青年会が唱題行脚を行った。かつて京都では法華経信仰者を中心に活躍した町衆がいたように、お囃子やうちわ太鼓が「法華ここにあり」と言わんばかりの音を響かせた。大会開始前にも関わらず、熱気が高まっていった。
大会前半は、コーラスや和讃、修法などの後、子どもの沙弥も諸役として出仕する音楽大法要が営まれた。僧侶が唱える声明や読経と沙弥が担当する銅鑼やハチの鳴り物や、散華しながらの行道などで華を添えた。菅野猊下はご親教で「自らを旃陀羅の子と言われる日蓮聖人は当時の貧しい人びとの苦労を存分にご存知でした。その日蓮聖人お1人が、法華経をお釈迦さまの真実の言葉として受け止められ、行動を起こし、立正安国、生きとし生ける全ての人びとの平安・安心の世界の実現を呼び掛けられました。先師や各家ご先祖さまから伝えられてきたこの法の灯火を仏使の役割として次の世代へ繋げ、立正安国・四海帰妙という祖願を皆さまご自身の誓願にしてほしい」と述べられた。
後半はかつて舞台で日蓮聖人を演じた俳優・嵐圭史さんが講演。当時の台詞で演技すると、参加者は嵐さんが描く人間味のある日蓮聖人像に魅了された。最後には唱題行が行われ、全員で心を1つにしたお題目が再び京の町に響き渡った。
参加した男性の1人は、「いま、こうやって多くの人と出会い、お題目を唱えられるのは、日蓮聖人がお生まれになられたおかげ。お題目を次世代につなげるために、努力していきたい」と語った。