オピニオン

2018年11月10日

◆世界異常気象時代の到来
今年6月末から7月にかけて降った豪雨は、広島県、岡山県、愛媛県を中心に、西日本に大きな被害をもたらした。200人を超える人びとがお亡くなりになり、多くの方々が家を失った。
それに今年は早くから台風が発生し、例年の倍といわれる台風が日本に接近した。特に21号と24号の台風は日本列島を縦断して、各地に大きな被害をもたらした。
豪雨や台風による雨量は、気象庁始まって以来という記録的なものであったが、雨量だけではない。今年の夏の猛暑も今までに経験したことがなかったというほどの暑さに悩まされた。
これらの現象は日本だけではない。世界各地でも災害級の暑さに見舞われて、多くの命が奪われたという。
アメリカでは、大型ハリケーンが襲来し、多大な被害を出して多くの人びとが命を失い、家を失ったと報道されている。
世界の天災記録によると、2010年以降、異常気象による災害が急激に増えてきていることがわかる。まさに世界異常気象時代の到来といわれる所以であろう。
一方、天災とともに、また今年も大きな地変が発生した。
北海道ではマグニチュード7・5の大地震があり、インドネシアでも同じくM7・5の大地震が起きた。両地とも多大な被害や犠牲者が出たが、特にインドネシアでは津波の被害もあって、大混乱が続いている。
日本では東日本大震災、熊本地震、北海道地震と続いて大地震が起きていて、天災地変の時代に入っていることを誰しも痛感していることであろう。
ここで私たちは、『立正安国論』の問題提議である「旅客来りて嘆いて云く」の文を思い起こさざるを得ない。
◆天地は人類の明鏡
日蓮聖人は、天地は人類の生きざまの鏡であるといわれている。その鏡も単なる鏡でなく、明らかな鏡、明鏡であると言われている。つまり私たち人類の生き方がそのまま天地の鏡に写しだされてくるので、天災地夭は人類の生きざまの誤りが原因だというのである。
たしかに異常気象の原因は、地球温暖化によるものだといわれている。この温暖化は、人類が温室効果ガスの排出量をゼロにするしかないという。まさに人類の努力にかかっている。
しかしこのわく組みを決めるパリ協定から、自国第一主義の米国は離脱することを表明している。私たち人類はこの過ちをどうしても止めなければならない。地球の平安と人類の平和は、世界人類が共に背負わなければならないからだ。立正安国・世界平和運動の意義はここにある。
◆国土は浄仏国土
法華経には、「我が此の土は安穏にして天人常に充満せり。園林諸の堂閣種種の宝をもって荘厳し、宝樹花果多くして衆生の遊楽する所なり」とある。
この私たち衆生が遊び楽しむべき浄仏国土を乱しているのは誰か。それはこの国土世間に生きる私たち人類である。
あくなく戦争をくり返し、人類滅亡・国土破壊の絶対悪の核兵器を一向に廃絶しようとしないこの人類の誤った生きざまが天地の明鏡に写らない筈はない。
核兵器禁止条約が国連で採択され、核廃絶の機運が盛り上がってきた今日、米国と旧ソ連とで結んだ「中距離核戦力廃棄条約」からの離脱を米国が表明すると伝えられている。これは歴史に逆行する行為であり、仏国土の顕現を乱す過ちであることは間違いない。
立正安国・お題目結縁運動を担う私たちの責任は重い。
(論説委員 功刀貞如)

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