オピニオン
2018年10月20日
ご先祖さまへのお便り
お施餓鬼法要で卒塔婆を立てて供養しますね。この卒塔婆は、ご先祖さまへのお便りじゃないかなと思います。「南無妙法蓮華経」のお題目の下にご先祖さまの名前(宛名)を戒名または俗名で書き、施主(差出人)を書きますね。ご先祖さまへ供養を捧げるとともに、「こちらは元気にしていますよ」と言っているような気がします。
「咲いた花見て喜ぶならば、咲かせた根を尊べよ」。咲いた花は私たち、咲かせた「根」はご先祖さま。今生きている私たち1人ひとりには、たくさんのご先祖さまがいらっしゃいます。
ご先祖さまあっての私たちです。このご縁を大切に。そして生きているのではなく、生かされていることに感謝することこそ、「おかげさま」ではないでしょうか。「おかげさま」、日ごろからよく使う言葉。謙虚に受け止め、「ありがたい」と思い表すことが、「合掌」の姿でしょう。
(福岡県布教師会長・大坪正志)