2018年10月12日
愛媛 今治市法華寺で秘仏公開
【愛媛】10月12日から14日の3日間、法華寺(愛媛県今治市中浜町4丁目118番地)讃岐英昌住職は、法華寺秘仏の公開を行った。
江戸初期の日像菩薩像、戦国時代頃の天女形鬼子母尊神像や日展会員である宮崎辰児氏の毘沙門天王像など、法華寺秘仏の現在のお姿や歴史的特徴などをお寺のお参された方や取材に来た新聞記者・市の学芸員の方々に、讃岐師が丁寧に説明された。
この公開に到った経緯は、大事な仏像などの文化財をなんとか「後世に語り伝えたい」という気持ちからである。それには、デジタルアーカイブ化を進めていく必要性があり、機材の購入の為、クラウドファンディングという手段をとった。クラウドファンディングは、賛同者・支援者を募り、プロジェクトを進めていくこと。今回の公開は、そのクラウドファンディングの目標金額の達成を記念して行われたものだ。
讃岐師は、このデジタルアーカイブ化をしたいと思った一番の理由は、「日本全国どこにお寺があっても被災から逃れることができない」という強い思いだ。
今後起こる可能性の高い南海トラフ地震に備えて、今何ができるかを考えたとき、画像での保存を思いついた。寺院の持つ公益性は、信仰・礼拝と共に仏像や寺宝など文化財の継承もふくまれる。
今後について讃岐師は「クラウドファンディングで支援を募ったので、法華寺だけで
なく愛媛県内寺院にも機材を活用してもらい多くの画像データを蓄積し、愛媛県教師の
会と教化センターの協力を得て、日蓮聖人ご降誕800年を記念して2021年、愛媛県美術
館での特別展示をしたい」と計画している。これは、画像データ収集で終わることなく
、これを活用し、仏教に興味を持ってもらい、より多くの人にご縁をつないでほしいという想いからだ。
今回の秘仏の公開にあたって、仏像の他にも身延久遠寺第27世日慈雲院日新上人の大曼荼羅御本尊や今治藩の船の往来手形・今治の画家である矢野橋村の絵画なども展示されていた。