オピニオン
2018年10月10日
やってみて気がつく
親しい友人が結婚することになり、披露宴の司会を仰せつかることになった。その打ち合わせを会場の人と行ったのだが、なんと確認事項の多いことか。新郎新婦はもちろん、親族、友人、会場スタッフと異体同心で行うことが大事なのだろう。入念な打ち合わせが必要だ。
葬儀は打ち合わせることが難しい。故人(の遺志)、喪主、遺族、宗教関係者、葬儀業者が、ひとつ心で葬儀にあたるという経験はあまりない。冠婚葬祭は簡略化とオリジナリティを求める昨今だが、いわゆるエンディングノートに記入する人はまだ少ない。そのすべてを記入しなくても良い。大切なことは、ノートに記入するという過程だ。書き始めたらわかるだろう。自分の思いを伝えずにはいられなくなる。親しい仲だからこそ伝えきれていない想いがある。それに気づき、あらゆることに感謝しながら生きていく。敬いの心で安穏な社会づくり・人づくりのための第1歩だ。
(高知県布教師会長・渡邊泰雅)