2018年9月27日
栃木 県外研修「現代の葬儀事情」
【栃木】平成30年9月27日、日蓮宗栃木県宗務所(横山真康所長)は、「現代の葬儀事情」をテーマに富山県高岡市の大法寺(栗原啓充住職)で県外研修を行った。管内からは9名の教師が出席。以前NHKの番組で「孤独死」が取り上げられた際、特定非営利法人(NPO法人)「道しるべの会」を立ち上げ、「送骨」として実際に遺骨の受け入れ事業を行っている大法寺の取組みが紹介されたことがあり、今回はその活動について栗原住職より話を伺った。
少子高齢化が進み、まもなく多死社会を迎える現代にあって、「単身者」や「身寄りのいない高齢者」が今後増加の一途を辿ることが予測されるが、彼らがいざ施設や病院への入居、また亡くなった際に種々煩雑な問題が生じる共に、それら円滑な解消を探る上で法律や行政など広範にわたる専門的知見をもった第三者の介在が必要であることはあまり認識されていない。つまり栗原住職の話によれば、「単身者」や「身寄りのいない高齢者」の生前における生活支援や死後の援助など行政との間に立って実務的な諸問題に対応し、それら人々の意向を最大限に尊重、心に寄り添うために「道しるべの会」の設立が必須であったというのである。寺院がこれまで担ってきた布教の拠点、また菩提寺として檀信徒の信仰の拠り所としての機能以外に、多死時代における寺院の社会的役割の多様化が増大が期待される中で、新たな可能性を提示した大法寺の実践例は一つの大きな道しるべになるであろう。栗原住職の実体験を踏まえた貴重な話に9名の参加者たちは真剣に耳を傾けていた。