オピニオン
2018年8月20日
伝えよう、親から子へ
先日の法事でのことです。若いお母さんが幼いお子さんと手をつないで、ご宝前にお焼香に進まれました。お母さんが合掌して礼拝されます。それをお子さんがジッと見上げています。するとおもむろにお母さんを真似て合掌礼拝するのです。お焼香を終えたお母さんは、お子さんを抱っこしてお焼香をさせ、また2人で合掌です。唱題中に何とも微笑ましい光景を目の当たりにしました。
「母が拝めば子も拝む うしろ姿の美しさよ」。これは、ある温泉旅館の床の間に掛かっていた掛け軸の詩です。私は母の後ろ姿の美しさと理解していたのですが、この時に思ったのです。「あの詩は合掌する親子2人の後ろ姿の美しさを詠んだものに違いない!」と。
「子どもは親の言うことは聞きかないが、親のすることはする」。よく言われることですね。大切なことを我が振る舞いを以って伝えていきたいものです。
(島根県布教師会長・蔵本知宏)