2018年7月18日
兵庫東 「夏の義民祭」三木市本要寺で
【兵庫東】三木市の市街地で租税を免除された特権を命懸けで守った江戸時代の義民2人を顕彰する「夏の義民祭」が7月18日、同市本要寺(小谷泰進住職)で開かれ、檀信徒・市民ら約100人が参列した。義民祭は戦国時代の三木合戦(羽柴秀吉の三木攻め)からの復興のために、年貢などを秀吉が免除した特権が江戸前期に取り消されそうになり、平田町(現同市平田)の大庄屋・岡村源兵衛と、平山町(現同市府内町)の年寄・大西与左衛門が幕府に直訴して守られたことにまつわる。
義民の碑がある同寺で午前10時から1時間、法要を三木義民顕彰会(会長=仲田一彦市長)が中心となって毎年開催している。法要後からは加西郷土研究会会長の藤原昭三氏が、江戸中期に旧三木町民と領主が争った訴訟について講演した。また、正午から、宝蔵内の古文書を本堂で虫干しして公開した。
この二人の遺徳を偲んで本要寺境内に顕彰碑が建てられ、それ以降300年にわたって毎年7月18日に義民祭が開催されている。出席した檀信徒からは『この祭りは、三木市民にとっての誇り。今の三木の街があるのはこの2人と、その2人と共に幕府と戦った民衆のおかげ。毎年暑い日に行われるので大変だが、この御恩を忘れず毎年続けられたら。』と語った。
講演後には、同寺婦人会お手製の鰻丼が参加者すべてにふるまわれ、義民祭は大いに賑わった。