2018年7月10日号
身延山久遠寺開闢会
744年前、日蓮聖人が身延山(山梨県)に入られたことを記念する開闢会が総本山身延山久遠寺で6月15〜17日に行われた。15・16日は、天童音楽大法要が内野日総法主猊下を大導師に営まれ、また17日の御入山行列前夜には、門前町でプロジェクションマッピングといわれる最新映像技術が用いられたイベントが開催されるなど賑わった。
ハイライトとなる約300人が参加した行列では、日蓮聖人を支えた檀越役として華やかな時代衣装に身を包んだ檀信徒や僧侶の散華、万灯講による練供養などが身延山を彩り、初夏の訪れを告げた。
内野法主猊下は行列後、「梅雨の時期にも関わらず、見事に晴れたこの日を迎えました。参拝の皆さまの日頃のお題目修行の賜物であり、大変意義あることです」と褒め称えられた。
最後には、御廟所域にある日蓮聖人が身延山で過ごされた「御草庵跡」で法要が営まれた。井上瑞雄総務が、日蓮聖人が身延山の様子を記した『身延山御書』を拝読すると、参列者は往時を偲び、内野法主猊下とともに報恩のお題目を唱えた。
福井から団体参拝で参加した僧侶の1人は、「身延山はバリアフリー化されているので、お年を召した参加者も気持ちよく参拝できた。最後には賑やかな入山行列も見ることができて、本当に良い団参になった」と語った。
■身延山は文永11年(1274)5月17日に日蓮聖人が入られたお山。晩年の9ヵ年を過ごされ、弟子檀越の教育を熱心に行われた。日蓮聖人は、身延山をお釈迦さまが法華経を説かれたインドの霊鷲山に例えられ、自らの墓所をこの地に建ててほしいと願うほど愛された。