2018年5月22日
東京東 江東区玉泉院で入寺式と本葬儀
【東京東】江東区玉泉院で5月22日、第二十九世井上慶亮師の入寺奉告式と、去る1月31日に遷化された第二十七世承智院日宏(井上日宏)上人の本葬儀が執り行われ、管内・法縁など有縁の僧侶並びに檀信徒200人が参列した。
午前の入寺奉告式では、慶亮師はこの度の慶事に持田日勇貫首(本山茂原藻原寺)より贈呈された法衣を着帯。開式に先立ち、浄心寺から宗立学寮同期生の掲げる玄題旗と唱題を先導に僧侶檀信徒40名と共に練行列を行い深川山内に入寺を披露、地元の方々の祝福に包まれた。奉告式では、御宝前において内山堯邦宗務所長より辞令及び認証状の伝達、外山寛穂師(浄心寺住職)より払子が継承され、遷化された師祖父・師父に見守られる中、威風堂々と奉告文を読み上げられた。
慶亮新住職は挨拶で、「12歳の時に出家得度させて頂き、16歳の時に師父である承泉院日朋上人が遷化したことを受けて、改めて自身が僧侶となることを深く自覚しました。以来、祖父が師となり父親代わりとなって、厳しく育てて頂きました。そして本日、多くの皆様の支えによって入寺奉告式を迎えることができました。このご恩を返すためには、住職となり玉泉院に奉仕することが自分にできるただ一つのことであります。この日を出発点として、寺門繁栄を目標に努力精進して参ります」と決意を新たにされた。
午後には、持田日勇貫首導師のもと承智院日宏上人の本葬儀を厳修、中川法政宗務総長をはじめ友人代表として石川日命貫首(大本山小湊誕生寺)、小西法縁代表として小倉日教貫首(本山小室妙法寺)、荒井義明総代より弔辞が捧げられ、一同、増円妙道を祈った。また、葬儀委員長の西村寛和師(圓隆院住職)は謝辞で御礼旁々、現在の玉泉院本堂・会館・庫裡の完成当時を振り返り「落慶式は、得度したばかりの慶亮師の第一歩として、親子孫の三代一会で行う。この法要に出仕することに大切な意味がある」と、法城完成の喜びと法孫の将来を考え嬉しそうに話された日宏上人との思い出の一端を紹介して、参列者と共にそのご遺徳を偲んだ。
井上日宏師は、昭和29年に玉泉院の法燈を継承後、戦禍を被った本堂・客殿・庫裡など寺観を幾度も整備し、平成12年には境内建物を一新して現在の本堂・会館・庫裡を建立された。宗内においては、布教師会長、日蓮宗特派布教師、日蓮宗常任布教師などを歴任、多年に亘る言説布教の功績により権大僧正に昇叙。宗外においては、全日本仏教会国際文化局長などを歴任。千葉刑務所教誨師並びに東京拘置所教誨師に就任、のちにこの活動が評価され法務大臣表彰を受ける。また江東区青少年育成教化功労賞などを受賞。さらには、書籍を多数出版、九星気学の講師としても全国的に活躍されるなど、檀信徒のみならず宗門内外で布教活動に取り組まれた。1月31日遷化。世寿90歳。