2018年5月10日
「この人どうしたの? 何をしたの?」
「この人どうしたの? 何をしたの?」小学生の娘が不思議そうに聞いてくる。子どもにどう説明したらいいのか…とっさの返答に困るようなニュースが連日テレビを賑わせている▼「悪いことをした時にはちゃんと謝ろうね」「お友だちが嫌がることはしないこと」「嘘をついたらダメ」子どもに言い聞かせていることと真逆を行く大人の姿。子どもの目にはどう映るのだろうか▼当事者自体も問題だが、世間が必要以上に騒ぎ立てて、1人を吊るし上げる風潮も大いに問題のように思う。私もつい正義を振りかざして人の非を責めてしまいそうになるが、「批判をするのは簡単。自分ならばどう行動していくかを考えてほしい」と以前、恩師に言われた言葉がふと頭をよぎる▼先日、バスに乗った時の出来事。「次…停まりま…す」アナウンスをする運転手さんの声が酷くかすれていた。聞きづらいとばかりに訝しそうな顔をする乗客もいた。終点に着いた時、1人のお婆ちゃんが何かを運転手さんに手渡した。「これ、とってもいいから」。運転手さんの手にはのど飴が2つのせられていた。娘たちは「やさしいね♪ お婆ちゃん」とにこにこ。運転手さんだけでなく、バスに乗り合わせた皆の心も温めてくれたお婆ちゃん。人の心を温め育んでくれるのは相手を思いやる仏さまの心。社会がそんな心で満たされるよう、行動できる大人でありたい。(蛙)